先日、友人たちとランチをしていたらこんなことを言われました。
夕方になると手が震えるからチョコレートを食べないと夕飯が作れない
これは明らかに低血糖の症状ですね。「血糖値を上げてくれないと死んでしまうよ」という体からの危険サインなので、すぐに血糖値が上がる砂糖がたっぷりのチョコレートに手が出てしまうわけです。
ついでに、チョコレートにはカフェインも含まれますから、そのカフェインがないとやる気も出ないということが考えられます。
一粒のチョコレートでも安定してくるのでそれを続けているのでしょうけれど、本来ならば「今すぐにやめて!」と叫びたくなる事例です。
低血糖の時に砂糖やカフェインを入れ続けるとどうなるか?
彼女からアドバイスを求められたわけではないので、簡単にしか説明しませんでしたが、似たような経験をしている方は多いと思います。
かくいう私も、うつ病になる前の異常行動がチョコレートを食べることでした。お菓子を食べる習慣はなかったのに、食べないと自分が保てなかったのです。
人の体はよくできていて、血糖値が下がると自力で血糖値を上げようとします。この時に活躍するのが副腎という臓器から出てくるホルモン。
ところが、「ストレス」「慢性的な炎症」「生活習慣の乱れ」によって副腎の機能が低下すると、ホルモンが作れなくなってしまいます。
ストレスに対抗してくれるコルチゾールややる気の源になるアドレナリン・ノルアドレナリンが作れないと、外から補わなければ生命の維持が危ぶまれます。その結果、糖質やカフェインが欲しくなってしまうのです。
血糖値が低くなる時間帯と副腎からコルチゾールの分泌が減る時間帯が同じくらいなので、昼食後から2〜3時間後に眠気や怠さを感じやすくなります。そこに砂糖・カフェインを入れると血糖値の急上昇が起こります。
血糖値の上がり過ぎも命に危険が及ぶため、今度は必死に血糖値を下げようとインスリンが出てきます。これを毎日のように繰り返すと、「うつ」「糖尿病」「アレルギー疾患」「自己免疫疾患」「動脈硬化」などを引き起こします。
1日のうちに何度も血糖値が上下してしまうと、血管が傷つけられて突然死の可能性も高くなります。
チョコレートを食べていなくても、15時〜16時台におやつタイムがないと夜まで持たない方は要注意です。
何を食べるのがおすすめ?
あたりめ、ゆで卵、塩分・油分不使用のナッツ類、ココナッツオイル、煮干し、サケとば……。おすすめできる補食はたくさんあるのですが、おやつ(お菓子類)の概念が抜けないとなかなか受け入れられないでしょう。
夕方に不調を感じる人は糖質過剰の食生活やカロリー不足が考えられるので、まずは食生活を変えることが大切です。糖質を控えたいところですが、副腎のスペックが低い場合は極端に制限すると体に負担がかかります。
糖質制限と言われると「絶対に無理」と拒否反応を示されます。しかし、全ての糖質が悪ではないので、やめるべき糖質だけは意識してやめてみるのが一番です。
夕方のおやつとしておすすめなのは、おなかがいっぱいにならない程度のおにぎり。友人には「え〜」と言われましたが、冷や飯で作った「じゃこおにぎり」「おかかおにぎり」「みそおにぎり」などがおすすめです。程よい糖質とたんぱく質が補えます。
どうしても甘いものが食べたいという方は、ふかし芋やふかしかぼちゃを適量で食べるのがおすすめ。いちごやブルーベリーといったベリー系の果物も血糖値が上がりにくい人が多いです。
友人に「クッキーはダメ?」と聞かれましたが、クッキーも血糖値を上げやすいからおすすめできません。しかし、食の楽しみがなくなってはいけないので、質の良い低糖質スイーツや自作の低糖質スイーツを休みの日に食べるのはいいですね。
外で補食を探す時は、できるだけ添加物の少ない商品を選ぶのがコツ。市販の商品だとゼロにはできないので、裏の成分表は要チェックです。
1都3県で働いている方は、ナチュラルローソンを味方につけてみるといいかもしれません。『丸善 SASAMI(ネット購入も可能)』『ボニートバー』『ボイルドエッグ』などがおすすめです。
自分の人生は自分だけのものではない
彼女の持病や健康診断で引っかかる項目を知っているので、以前は「糖質は減らした方がいい」と伝えていましたが、最近は大げさには言わないようにしています。
理由は2つ。
- どう生きるかはその人に選ぶ権利がある
- 相手にとっての幸せを奪う権利はない
でも、本音を言えば「もうちょっと体を労ってほしい」です。
爪や肌の状態から読み取ると、慢性的な炎症と鉄欠乏は明らか。以前に「心筋梗塞の恐れあり」と言われたこともあるというので、平日くらいは控えてみたらどうだろうと思うのです(糖質の過剰摂取は友人にも自覚あり)。
どこまで納得してもらえたかは不明ですが、「好きなように食べた結果、食べたいものが食べられなくなったとしたら悲しくない?」とは伝えました。
私は子供の頃に従兄を交通事故で亡くしているため、昨日まで元気だった人を突然失うつらさを味わい、何年も引きずっていました。突然死も事故みたいなもの。本人にとっては一瞬の痛みかもしれませんが、残された人たちはしばらく立ち直れません。
孫の顔も見たいだろうし、好きなスポーツも続けたいだろうし、なんでもおいしく食べたいだろうし。そのためにできることは、自分の体と向き合いながら食べるものに気を付けるしかありません。
友人の人生は「ご健在の祖母とご両親」「家族」「友人たち」にとっての人生の一部でもあります。健康を維持しながら生きていくか、後々になってつらい思いをするか、どちらを選ぶかは彼女にしか選択できないわけですが。