栄養療法(オーソモレキュラー)を始めると迷子になる人が出てきます。
- 食事が楽しくなくなった
- 治療・サプリメントが苦痛
- 血液検査データが良くならない
- データが良くなっているのに体調が良くなっている実感がない
何を隠そう、私も迷子になったくちです。何かの病気に対する治療として取り入れたわけではないから余計に迷いました。
迷子にならないためにはどうすればいいのかをお伝えします。
栄養療法(オーソモレキュラー)はマラソンと同じ
栄養療法(オーソモレキュラー)で迷子になる最大の理由は明確な目標が設定されていないからだと断言できます。
栄養療法(オーソモレキュラー)はあくまでも治療法の一つです。取り入れるのも取り入れないのも個人の自由。だからこそ、この治療を取り入れるに当たって最終的にどうなりたいのかを明確にしないと挫折します。
マラソンに置き換えてみてください。マラソンはゴールが決まっているから苦しくても走り続けられるのです。
ゴールの場所が設定されていて42.195kmを走り続けるのと、ゴールの場所が設定されていないまま42.195kmを走り続けるのとではモチベーションが大きく変化するでしょう。
栄養療法(オーソモレキュラー)も同じです。
ゴール(目標)が定まっていないのに治療を始めると、途中で苦しくなってやめたくなります。簡単には体調が変化しない人も多いから、「栄養療法(オーソモレキュラー)なんてインチキだ」と考えてしまう人まで出てきます。
最終的にどこを目指したいのかがブレてしまうと、いつの間にかデータを良くすることだけに集中して迷子になってしまいます。
目標の設定は自分の体と環境を知ることから始める
栄養療法(オーソモレキュラー)では食事が最も重要であることは周知の通り。
しかし、「そんなに食べられない」「必要だと言われているものを食べているのに体調は良くならない」といった状況に陥ることもあります。
そこには「個体差の問題」「体内で起こっている異常」「環境(人間関係、生活環境など)」が関係しています。

「食べられない」「栄養が吸収されない」原因を知ることは、栄養療法(オーソモレキュラー)をする上で非常に大切なことです。
単に栄養が不足していることだけに着目するのではなく、原因に着目することで目標が定められます。目標が決まれば、原因を一つ一つ取り除きながら走り続けるだけです。環境を変えるのが一番のネックですが、必要あらば決断をしなければならない時もあります(離婚、退職、引っ越しなど)。
走り続けるのにサポーターとして活躍するのが医師や栄養カウンセラーなので、うまくサポートしてもらえないのであれば病院を変えることも必要です。

目標が定まったのに迷いが生じる現象と対策
以前にもお伝えした通り、せっかく定まった目標がブレてしまうのは自己流に走ってこじらせてしまっているからです。

「治したい一心で本やインターネットから情報収集をする」。学ぶことは決して悪いことではありませんが、自分でアクセスした情報から得られるものは、あくまでも栄養療法(オーソモレキュラー)における一般論です。
世に出ている情報は、たった一人の人に向けた情報ではない上に治療ではありません。取っ掛かりにするのはいいですが、必ずしも自分のからだに合っているとは限らないのです。
何のために栄養療法(オーソモレキュラー)を始めようとしたのか、もう一度原点に戻ってみてください。
自己流でできることは食事の改善のみ。それ以外のことを自己流でやり始めると新たな病気を発症するリスクが高まります。
栄養欠乏による体調不良のほとんどは、今までの食事があまりにも偏りすぎていたからにすぎないのだから、過剰だったものを減らして不足していたものを少しずつ増やしていくことが最も重要。細かい栄養素を考える前に、なんでも食べることから始めましょう。
そのために必要なことは食事の記録です。食事や間食の度に写真を撮っておきましょう。ひと目で偏りが分かるので、できることから正していけばいいです。
作る気力がないなら外食でもお総菜でもいいので、からだのベースになるものを選ぶ脳だけを鍛えて体力が底上げされるのを待ちましょう。食事だけでどうにかしようとすればとてつもなく時間はかかりますが、変化が起きないということは絶対にありません。
食材の質やからだに毒であるものを考えることも重要ですが、まずは栄養素の底上げを!栄養が回るようになると体にとって危険なものを考える余裕が出るので、さらに栄養素が回りやすくなって情報に振り回される迷子さんになることはなくなります。