体温が高いのはいいこと?健康とはいえない消化に関する2つの問題

昼間の貴重なお時間にご訪問いただき、誠にありがとうございます。楽食べ伝道食育アドバイザーのちえです。

体温が高いと免疫力が上がるなどといわれていますが、実際はそんなに単純ではありません。

  • 体温がいつも37度以上で不調がある
  • 36度台なのに不調がある
  • 体温は低くないのに感染症に弱い

など、何かしら不調を抱えているなら決して体温が高いことはいいことづくめとは言えない理由がいくつかあります。

その中でも消化に関係する2つの問題をピックアップしました。

※ここでいう体温は脇の下で測定した数値です。

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体温が高い≠健康

消化力の弱さ

健康を維持するためには栄養のバランスが大切です。特に、エネルギーの源となる炭水化物・脂質・たんぱく質はバランス良く摂取しなければなりません。

しかし、消化力の弱い人が消化に時間のかかる食材を頑張って摂取すると、未消化物が毒素となって体内に残ります。

たんぱく質に関してはグルテンフリーやカゼインフリーがメジャーになりつつありますが、消化力が弱ければ肉も魚も卵も消化に時間がかかって消化管に負担をかけるので、2つだけを抜いても体調は回復しません(腸に炎症を起こす)。

毒素は体内で弱っているところにたまっていきます。たまった場所によって引き起こされるのが、さまざまな病気や不定愁訴(原因がハッキリしない体の不調)などです。

健康診断でも詳しい検査でも問題ないと言われてしまう未病の状態も、いつも何か問題があって突然死してしまう可能性がある状態も、悪さをする原因はさほど変わりません。

一時的に大きなストレスがかかった時に消化力が著しく下がることもあります。誰にでも起こりうることです。

ストレスが多い

常にストレスがある状態だと戦闘モードから脱せません(交感神経優位)。

現代における主な戦闘モードとは仕事・人間関係・天災です。これらのストレスを乗り越えるために頑張りスイッチや我慢スイッチが入り、体温を上昇させることで身体動作をより活発化させます。

しかし、戦(ストレスに立ち向かう)をしなければならない時に消化器官を動かしていたら、頑張り&我慢スイッチは入りません。

要は、ストレスが多い状態では消化器官の働きが鈍るので、空腹感を感じにくいのです。この時に無理をして食べても消化のスイッチが入らず、結果的に消化管(※1)への負担をかけてしまいます。

「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「コルチゾール」は血糖値を上げるホルモンなのでおなかが空きにくくなります。ストレスに晒されていると、少量の食事だけで満腹になってしまう人が多いです。

過剰なストレスは無理に体温を上げるばかりではなく、エネルギーになるはずの食事が炎症の引き金となる状態でもあります。

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消化力を上げるための解決方法

ストレスケアをした上で行ってください。

食事ができる状態であれば、下記の解決方法を取り入れます。

  • 暴飲暴食をしない(消化管に負担がかかる)
  • 冷たいものをできるだけ口にしない(消化酵素の働きが鈍くなる)
  • 睡眠をおろそかにしない(タンパク質合成の力が弱まる)
  • 不規則な食事をしない(消化がばらついて消化不良を起こす)
  • 偏食をしない(偏食自体が消化力低下の証拠)
  • 早食い・ながら食いをしない(早食い⇒かむ回数が減って未消化物が体内に入る、ながら食い⇒ゆっくり過ぎて消化にばらつきが出る)
  • 食事中にみそ汁・スープ以外の水分を摂取しない(胃酸が弱まる)
  • できるだけ新鮮な食材を口にする(鮮度の悪いものは老化につながりやすい)
  • 腹八分目で抑える(食べられたとしても消化できない)
  • 食べ合わせの悪いものをできるだけ避ける(胃腸に負担がかかる)
  • 緊張状態で食事をしない(消化機能が低下する)
  • 満足感の得られる食事をする(「嫌いなものを無理して食べる」「好きなものを我慢し続ける」は消化能力が低下する)

全てを一度に取り入れる必要はありません。できそうな方法を少しずつ取り入れると良いです。

「空腹感がなかなか起こらない」「食事が喉を通らない」「食べることに罪悪感がある」「食べる体力がない」「すぐに満腹感が出る」などの問題を抱えている時は、とりあえず食事を抜くという選択を取ります。

生きるためにはたくさんの栄養素を必要としますが、消化ができない状態で食べ物が入ってきても、未消化のまま血液に混じったり体外に排せつされたりしてしまいます。消化ができない理由をまずは探りましょう。

しかし、いつまでも飲まず食わずでは消化力は取り戻せないので、ボーンブロス入り(※2)のポタージュスープや出汁がたっぷりのすり流しなどを数回に分けて飲んでみてください。出汁を取る気力がない場合は、粉末になっている出汁粉(※3)を振り入れれば楽ができます。

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体温説に振り回されてはいけない

「平熱は何度ですか?」と聞かれて正しく答えられる人はほとんどいません。体調が悪くない限りは体温測定をしない人がほとんどだからです。

医療従事者や介護従事者などの専門職以外で正しい体温測定ができる人も少ないため、仮に「毎日測定しています」という人でもそれが正しい数値なのか定かではありません。

体温の正しい測定方法(脇の下)
  • 測定前に脇の汗を拭き取る(こもった熱を逃がす意味もある)
  • 体温計を斜め下から入れる
  • 測定中に腕を抑える
  • 1日に数回、時間を決めて測定する(測定する時間や運動の有無、食前・食間・食後で変化する)

また、体温を上げるのも下げるのも原因は一つではありません。いろいろな条件が重なって高低差が生まれます。

体温が高いのに不調(※4)がある場合は炎症や心因性の熱である可能性が高いので、体温が高い=健康(免疫力が高い)とは言い切れません。

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この記事のまとめ

  • 消化力の弱さやストレスの多さが原因で体内に炎症が起こり、体温が上がっている人がいる。
  • 「消化力が弱い」「一時的に消化力が下がる」といった場合、食べたものが未消化物のまま血管に入り込み、体の弱っている部分に毒素としてたまる。これがさまざまな病気や不定愁訴を引き起こす。
  • ストレスが多い時は、体温を上昇させて身体動作を活発化させる。この状態は交感神経が優位で、空腹感が起こりにくくなる。空腹感が起きないのに無理をして食事をすると、消化のスイッチが入らずに消化管への負担になる。
  • 消化力を上げるには、消化の負担になるような行動を避ける必要がある。
  • 体温はあくまでも目安。「高いから免疫力が高い」「低いから病気になりやすい」という説には振り回されないことが大切。
※1.消化管とは「口くう(口の中)」「食道」「胃」「小腸(十二指腸、空腸、回腸)」「大腸(盲腸、結腸、直腸)」「こう門」を指します。食べたものを吸収しやすい大きさに消化して吸収させ、消化できない大きさのものは体外に排出する機能です。消化がうまくいかない状態が続くと通常の何倍も労力が必要になり、異物(ホコリ、重金属、微生物、細菌、ウイルスなど)から体を守れなくなります。
※2.ホルモン剤・抗生物質不使用の牛骨・豚骨・骨付き鶏肉などを探してみてください。消化能力が落ちている時は鶏のスープが飲みやすいです。
※3.無添加の出汁粉がおすすめ。かつお節や煮干しをブレンダーやフードプロセッサーなどで粉砕してもいいです。
※4.「だるさ」「頭痛」「腹痛」「うつ状態」「不眠」などの他に、「排せつ物が臭う」「味覚障害」「舌たい(舌にこびりつく白い汚れ)」「便が沈む」などの異常も含まれます。
参考文献

『栄養の教科書 改訂新版』中嶋洋子 監修
アーユルヴェーダ食事法 理論とレシピ』香取薫/佐藤真紀子 著
『安保徹のやさしい解体新書』 安保徹 著
体温・代謝調節システムの研究から「温度生物学」への展開
Psychogenic fever: how psychological stress affects body temperature in the clinical population

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