知らないと損!唾液が健康を守る7つの要素と分泌対策

朝の貴重なお時間にご訪問いただき、誠にありがとうございます。楽食べ伝道食育アドバイザーのちえです。

健康診断の問診で聞かれることがある「唾液は出ていますか?」にどうお答えですか?

  • 唾液腺からピューッと出ます
  • 意識したことがないです
  • よく口が乾きます

唾液が出ていないと健康は守れません(断言)。どんなに食事を頑張ってもです。

日常生活ではあまり意識することのない唾液ですが、これがなければ私たちは早々に命を落としてしまうかもしれないくらい重要な分泌液。

理想的な唾液は赤ちゃんの口から出る粘りのある唾液ですが、大人であそこまで粘る人はなかなかいないので、無意識の状態でも口の中が唾液で満たされるくらいに持っていきたいものです。

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唾液が健康を守る7つの要素

えん下をスムーズにする

えん下とは飲み込むことです。口の中が唾液で満たされれば、水分がなくても飲み込みやすくなることは誰にでも想像できるでしょう。

小さい子供や高齢者はかむ力が弱いので、肉やかたい食材を苦手とする人が多いです。これが若い世代や中年世代にも増えています。

通常はしっかりとかむことで唾液は分泌されますが、かまずに飲み込める食事が増えている現代では、全ての世代に唾液を分泌させる機能が低下しているのです。

飲み込みやすさに力を貸してくれるのは「ムチン」という成分。粘性のあるムチンは加齢とともに減少傾向にあるため、幼少期からよくかんで食べるという習慣を身に付けたいものです。

ムチンが出やすい人はウィルスや細菌などの侵入を防御できるため、風邪やインフルエンザなどに強い傾向があります。

細菌に強くなる

唾液には細菌に抵抗力のある「リゾチーム」「IgA(免疫抗体)」「ラクトフェリン」などが含まれます。

けがをした時に、「唾をつけておけば治る」と言われた経験がある人もいるでしょう。汚いと思ってしまいますが、実は理にかなっているのです(現に動物は傷を負うとなめて治している)。

リゾチームは血液にも含まれているので、体内に細菌が入った場合は好中球が対応してくれます。しかし、唾液に多く含まれていれば口から侵入してきた細菌は口の中で対処できるわけです。

ラクトフェリンやIgAも細菌の感染から身を守るためにとても重要な役割を果たします。体内で闘わせるよりも口の中で闘わせた方がからだへの負担は軽減されます。

ちなみに、授乳中の赤ちゃんは母乳に含まれるラクトフェリンやリゾチームを摂取し、細菌が体内で増殖することから身を守っています。

抗がん作用がある

私たちが口にするものにはたくさんの発がん性物質が含まれていますが、毎日のように口にしていてもそう簡単にがんを発症しません。これは唾液に含まれる「ペルオキシダーゼ」「カタラーゼ」のおかげです。

発がん性をゼロにすることは不可能ですが、唾液に含まれるペルオキシダーゼやカタラーゼと混ぜることで減少する事が分かっています。

加齢とともにがんの発症率が高くなるのは、そしゃく力が低下して唾液の分泌が減少することにも関係しています。

日頃から発がん性物質を口にする機会が多い人ほど、よくかんで毒消しをする必要があります。

強力な抗酸化力を発揮する

私たちが生きていくためには細胞膜の原料になる脂質が必要です。

しなやかな細胞を膜を作り出すためには魚油やαリノレン酸といった不飽和脂肪酸(固まらない脂)が必要ですが、酸化しやすいところが欠点でもあります。酸化した脂は活性酸素の好物なので、放っておけば老化・がん・動脈硬化などを作り出すのです。

ところが、体内では尿酸という強力な抗酸化物質が作られるため、ある程度の年齢に達するまでは老化現象が見られません。

唾液には強力な抗酸化物質“尿酸”が含まれるため、口くう内で過酸化脂質の生成を抑えてくれます。

スナック菓子・カップ麺・植物油を使用した加工食品などを頻繁に食べている場合でも、からだへの異常がすぐに出ないのは唾液が守ってくれているからです。

成長因子でからだを守る

少し美容に詳しい女性ならご存じであろう成長因子(グロースファクター)。唾液にはEGF(表皮細胞成長因子)とNGF(神経成長因子)が含まれています。

EGFはアンチエイジング化粧品に含まれていることが多い表皮細胞のターンオーバーを促す成長因子です。唾液に含まれるEGFは口くう粘膜・腸粘膜・胃粘膜などの細胞を増殖させます。

NGFは神経細胞で働く成長因子で、炎症から発生する痛みの軽減にも力を貸すことが分かっています。

食べる時に唾液をよく混ぜると、自分の力で体内にある細胞のターンオーバーや神経細胞の成長促進が自然と行われるのです。

味覚を守る

唾液にはアミラーゼやガスチンといった酵素が含まれています。

アミラーゼはでんぷんを分解することで有名な酵素ですが、味を良く感じさせる酵素としても仕事をしているのです。しっかりとかんで唾液を混ぜることで、食事の味を豊かに変化させます。

ガスチンは味覚を敏感に感じさせる酵素として働きます。これは亜鉛と結合することによって効力を発揮するため、亜鉛を多く含む肉や魚介類を食べる時には意識してそしゃくすることが大切です。

虫歯・歯周病を予防する

唾液は弱アルカリ性なので、口の中が酸性に傾いた時に中和する作用があります。

糖質が多いものを食べたり飲んだりしていると口の中は酸性に傾きやすいです。これらが好きな方は虫歯になりやすいという特徴があります。

酸味の強いもの(かんきつ類、酢など)が好きな方も口の中が酸性に傾きやすく、放っておくと歯が溶けてしまいます。

唾液には溶け出したミネラルを再石灰化させる力があるため、唾液を出す能力があると初期の虫歯を自然に治せるのです。ただし、食べすぎている場合は唾液だけでは対応し切れないので食事の管理は避けて通れません。

また、唾液は口の中にいる善玉菌と悪玉菌(歯周病の原因)のバランスもコントロールするため、質の良い唾液が十分に分泌されることは歯周病の予防にも役立ちます。

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唾液を出すためのトレーニング

かむ習慣を身に付ける

手っ取り早いのは日々の食事でトレーニングすることです。

かまないと飲み込むのが難しい食材を食事やおやつに取り入れて、かむ習慣を身に付けましょう。かんでいるうちに唾液が分泌されます。

生野菜を食べたり食感が残る調理法でおかずを組み立てたりすると、自然と食事の時間にかむ習慣ができ上がります。

口呼吸をやめる

口で呼吸をしていると口の中は乾きやすくなってしまいます。

唾液が出にくくなるので水分が必要としますが、この行動が自力での唾液の分泌を減少させます。ドライマウスを作りやすい状態にし、水分のせいで胃酸が薄まりやすいという状況にも陥るのです。

口呼吸を常態化させて唾液の分泌を減らすことは食欲の減退も加速させます。加齢とともに食欲が減少する一因です。

鼻が詰まりやすい方は鼻うがいをして鼻の通りを良くすることも一つの手ですが、鼻に疾患がある可能性もあるので治療をしてから鼻呼吸へと移行してください。

眠っている間は鼻呼吸を意識できないので、口にテープを貼って強制的に鼻呼吸を促す工夫も必要です。

唾液腺マッサージとあいうべ体操

唾液腺を軽く押してみると口の中に唾液がたまります。

唾液腺のマッサージをすると、比較的粘り気のある唾液が出てくるのが分かるはずです。

大人は粘性の唾液を分泌する力が弱っているので、気が向いた時にマッサージして強制的に唾液を分泌させてみましょう。

みらいクリニック院長の今井一彰医師が考案した「あいうべ体操」を習慣化するのもおすすめです。

ゆっくりと「あー、いー、うー、べー」と言いながら1日30回ほど続けるだけで舌の位置が上がり、自然と鼻呼吸が常態化し、口の中が唾液で満たされやすくなります。


免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」―リウマチ、アトピー、潰瘍性大腸炎にも効いた!

健康的な唾液を出すには歯科検診が重要

唾液を出すためには健康な歯や口くう内環境を保つ必要があるので、歯科検診を定期的に行わなくてはいけません。

「虫歯ができた時に行く」「歯茎が痛いから行く」「詰め物が取れたから行く」では遅いです(そうなる前に来てほしいというのが歯科医・歯科衛生士の本音)。

30歳を過ぎると虫歯になったことがなくても歯周病の進行が一気に加速するので、お世話になったことがない方は良い歯科医院を見付けて定期的に通院してください。

最近は顕微鏡を使った治療をする歯科医が増えているので、丁寧な検診をしてくれる歯科医を見付けてみましょう。

私は食いしばりが始まった30歳の頃に歯科医院を訪れるようになりましたが(虫歯がなかったので縁がなかった)、10数年の間に4回くらい歯科医院を変えています。歯科医だけではなく、歯科衛生士にどれだけの知識があるかもチェックするといいでしょう。栄養にも長けているとなお良い。

この記事のまとめ

  • 唾液が健康を守る7つの要素は「えん下作用」「抗菌作用・感染予防」「抗がん作用」「抗酸化作用」「表皮細胞・神経節や神経細胞の成長促進」「味覚増進」「虫歯・歯周病の予防」である。
  • 唾液を分泌させるには、「日頃からしっかりとかんで食べる」「口呼吸をやめる」「唾液腺マッサージと体操」の3つが必要である。
  • 健康的な唾液を分泌させるには歯科検診を避けて通れない。治療のためだけに通院している方や歯科医院と縁がない方はすぐに定期検診に通う必要がある。
参考文献

『口を閉じれば病気にならない 健康は呼吸で決まる』今井一彰/岡崎好秀 著
『あなたをサビ(酸化)から守るための70の知識 成人病・ガン・老化は活性酸素が引き金だった』井土貴司 監修
『栄養の教科書 改訂新版』中嶋洋子 監修
咀噌の大切さ
子どものQOLのために,「噛むこと」「味わうこと」の大切さ
神経成長因子と痛み

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