昔から季節の変わり目に体調を崩す人はいましたが、最近は変わり目らしい変わり目がなく、“昨日と今日がまるで別の季節”ということが増えてきて体調もメンタルも崩しやすい人が多くなりました。
30度台から一気に10度台になれば(その逆も)、どんなに元気な人であっても自律神経は乱されます。ストレス以外の何ものでもないですからね。
しかし、体調を崩してしまう人とあまり左右されない人がいます。多少は自律神経が乱れても、体調に影響を与えないようにするには小さな日々の積み重ねが必要です。
体温調節がうまくいかないと左右される
体温調節は自律神経が乱れているとうまくいきません。交感神経(活動時間帯)と副交感神経(休息時間帯)が交互に行われないと、体温も安定しないのです。
肝となるのはGABAという神経伝達物質。「興奮の抑制」「良質な睡眠」に関わるとして有名ですが、体温の調節にも重要な役割を果たします。
問題になるのは体温がいつも低い、または交感神経が優位(ストレス状態)で体が無理をしているために体温が上がっている人。
無理に交感神経を優位にしているから、頭痛が起きたり血圧が上がったりイライラしたりします。この状態をいつまでも保てるわけがないので、今度は極端に副交感神経が優位になり、気力が低下したり怠さが続いたりするのです。
この状況を回避するためには「栄養の改善」「適度な運動」「冷え取り」が必要です。

体調不良を起こさないための具体的な改善策
栄養は総合的にたっぷりと
GABAを作り出すために最も重要な栄養素はたんぱく質。さらにナイアシンやビタミンB6(ビタミンB群)、グルタミン酸やミネラル(マグネシウム、カルシウム、亜鉛など)といった栄養素が必要です。
ただし、しっかりと消化・吸収・代謝させることが重要なので、こまめに摂取する必要があります。
消化・吸収・代謝にもエネルギーが使われるので、できるだけエコモードでいくには栄養満点スープをおすすめします(みそ汁もOK)。
こんな時に活躍するのはボーンブロス&出汁。ボーンブロスは気分がいい時にまとめて作って冷凍しておくと便利です。出汁はわざわざ取る必要はありません。スープを作る時に入れれば勝手に出汁が出てきます。
常備してある野菜や乾物(手間のかからないノリがおすすめ)を入れるだけで栄養満点!卵や豆腐が入るともっといいですね。

こういう時は、胃腸に無理をさせないことが大切。
消化や代謝にエネルギーを奪われないためにも。
このスープだけでもアミノ酸、ビタミン、ミネラルがたっぷり。
そして、おいしい😋
低体温の方は36度以上を目指して✊🏻
37度近くまで上がると、体感がぐっと良くなります。— あんどうちえ(食育アドバイザー) (@ortho_c25) June 9, 2019
意識して運動を
栄養だけで自律神経を整えるのは難しいです。そこで大切なのが日々の運動。激しい運動を週に一度ではなく、ゆっくりでも毎日の積み重ねが体質改善をもたらします。
運動をすると「血流が良くなる」「胃腸の調子が上がる」「新陳代謝が上がって肌の調子が良くなる」「頭がスッキリする」などいいことずくめです。
私は子供の頃から水泳以外の運動が苦手で、大人になってからはろくに運動もせずに過ごしていましたが、数年前からは意識的に運動をするようになりました。35歳を過ぎた辺りから代謝に変化が感じられたというのも理由の一つですが。
運動をしていない人におすすめなのはNHKの『みんなの体操』と『ラジオ体操(第一・第二)』です。

これはどんなに忙しい方であっても、朝の運動に取り入れていただきたいです。『みんなの体操』だけでも!たった5分でできます。血の巡りが良くなって、スッキリとした1日を迎えられます。
余談ですが、映画『南極料理人』でも隊員たちが『みんなの体操』をするシーンがありました。実際に行われているかどうかは不明ですが……。
少しずつ体が慣れてきたら、ちょっとハードなものにも挑戦してみるといいでしょう。私のおすすめはダンサーYU-SUKEさんのエクササイズです。最初は難しいですが、続けているうちに楽しくなっていくのでぜひ。
「これだけはマスターしてみて!」というエクササイズは以下の3つです。
↓ダンス未経験でもOK
↓リズムに乗せて楽しくスクワット&筋トレ
↓女性向け!ダンサー気分になれるダンスエクササイズ
慣れてしまうと飽きてくるので、どんどん難しいのに挑戦してみるといいですね。1日に2〜3セットを続けると効果的。
階下や両隣に迷惑がかかるので、マンションやアパートの方は外で行ってください。
からだを冷やさない行動を
「冷たい食べ物や飲み物を控える」「薄着をしない」「からだを冷やす食材は控える」などは当たり前ですが、最も意識をしていただきたいのが呼吸です。
実は、口呼吸をしているとダイレクトに冷えた空気が体内に流れ込みます。鼻呼吸に変えることで冷えから守れるので、できるだけ意識をしてみてください。
時間に余裕のある方にはヨガがおすすめですが、ヨガをする時間をわざわざ作らなくても鼻呼吸に変化させられる方法があります。
たったこれだけです。あとは就寝時に口テープをして寝るのも効果的。無意識になっている時間に鼻呼吸をしていると、自然に日中も口を閉じられるようになります。
「栄養」「運動」「冷え取り」の3つがそろうと自然に自律神経が整うようになり、平均体温も少しずつ上っていきます。
私は平均体温が36.3度でしたが、毎日の積み重ねで36.6度まで上がりました。高温期は37度に届くこともあります。日々の違いは微々たるものでも、1年後には必ず変化が訪れるので、洗顔や歯磨きのように日課として続けることが大切です。
この記事のまとめ
- 気温差によって自律神経が乱れると体温調節が難しくなる。調節に必要な神経伝達物質はGABA。極度の「気力低下」「だるさ」を引き起こさないためには「栄養の改善」「適度な運動」「冷え取り」をする必要がある。
- 栄養は総合的に。最も重要なのはたんぱく質である。運動は毎日。ゆっくりでもいいから日々の積み重ねが大切である。からだを冷やさずに。最も意識したいのは口呼吸から鼻呼吸に変えることである。
- 平均体温が上がると気温差に左右されにくくなる。1年ほど続ければ必ず変化は訪れる。
脳と体温―暑熱・寒冷環境との戦い―
『血液栄養解析を活用!うつぬけ食事術』奥平智之 著
『最強の栄養療法「オーソモレキュラー」入門』溝口徹 著