末期がんを宣告された本人と家族が真っ先に読むべき『ホリスティック医学入門』

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末期がんを宣告されたら、誰もが頭を鈍器で殴られたような感じになると思います。冷静に受け入れられる方もいらっしゃいますが、そこまで達観できている方はまれでしょう。誰もが、動揺するというよりは、どうにかして助かりたいと願うのではないでしょうか。

しかし、もがいていても状況は変わりません。どんな種類のがんであれ、今すぐに死に至ることはないのですから、冷静に生き方を見つめ直す必要があります。

以前に、某化粧品会社の社長からおすすめされた『ホリスティック医学入門ーがん治療に残された無限の可能性』という本をご紹介します。がん治療では有名な帯津良一医師の著書です。

つらい治療にひたすら耐えるか、自分らしく最期まで生きるかを、自分の意思で選んでみませんか?


ホリスティック医学入門 ――ガン治療に残された無限の可能性 (角川oneテーマ21)

ホリスティック医学とは

がん治療に限定するならば、西洋医学としての治療は「手術」「抗がん剤治療」「放射線治療」の3つが主です。もちろん、この治療だけで良くなる方もいます。大腸がんを患った私の母も、手術と抗がん剤治療(服薬のみ)で寛解しました。しかし、確実に治る保証はありません。再発を繰り返したり、すぐに転移が見つかったりといったことはがん患者には多いです。

一般的な外科医師の治療は、本当にわかりやすく病巣への治療のみを行います。でも、同じがんを患っていたとしても個人差は大きいです。それまでの人生の歩み方、置かれている現状、生まれ持った性格など、一人の人としてみた場合は病巣だけを見ていても意味がありません。

ホリスティック医学は、心も含めたカラダ全体(もっと言えば個人)をみる医学です。単純に一般的な治療を施すだけではなく、患者が持つ自然治癒力にも着目して、患者が最も幸せだと感じられる生き方にのっとって治療を行います。

帯津医師は帯津三敬病院の名誉院長で、NPO法人日本ホリスティック医学協会の名誉会長でもあります。外科医としてがん治療に向き合ってきた医師です。さまざまながん患者と向き合うなかで西洋医学の限界を感じるようになり、代替医療を含めた統合医療を始めるようになりました。

私が学んでいるオーソモレキュラー(分子栄養学)がそうであるように、ホリスティックという考え方を否定している医師は大勢いると思います。しかし、最期の時までどのように生きるかを決めるのは患者であり、マニュアル通りの治療だけを推奨するのは医師の傲慢(ごうまん)な考え方でしかありません。

治療法は一つに絞らないこと

がんの治療法は一つではありません。なかには詐欺のような治療もあるかもしれませんが、人によってはそれが効果的に働く場合もあります。もちろん、経済的な問題や本当に必要性があるかどうかを見極める必要もあるので、理解のある主治医に相談して組み合わせるのが一番です。

死に方は自分で決める

これから頑張っていこうと思っている方に向けて、死に方の話をするのは間違っているかもしれませんが、避けられないことなのであえて記します。生あるものは必ず死に向かいます。死というゴールがなければ、生き方を考えることはないでしょう。

『ホリスティック医学入門ーがん治療に残された無限の可能性』を読んでいただければ、今まで分けて考えていたはずの「生」「老」「病」「死」がつながると思うので、“死に方を自分で決める”の意味が理解できるはずです。

人は、大まかに分けると3つの方法で死が訪れます。

  1. 病死または老衰
  2. 災害や事故などによる不慮の死
  3. 他者の行為による不慮の死

※自殺を除く

2番目と3番目は自分では決められませんが、1番目は自分で死に方を選べます。

末期がんの場合は、健康な人に比べれば死に近付いた状態と言えるかもしれません。だからこそ、この状況でどのように生きるかを考えるのは、他人任せにするよりも自分任せにした方がいいと思いませんか?

代替医療に否定的な主治医なら

本にも書かれていることなのですが、保険診療以外の治療を認めない医師が主治医なら、すぐにでもセカンドオピニオンやサードオピニオンを受けた方がいいでしょう。

現在の治療を納得した上で受けているのであれば、そのまま治療を続行すればいいでしょう。しかし、大きな不安を抱えている場合は、不安を取り除く材料があった方が治療に前向きになれるはずです。

代替医療に限ったことではありません。からだに負担がかからない趣味や活動(仕事も含む)であれば、それ自体が不安を取り除く材料になって生命力がアップすることもあります。

医療に絶対が存在しないことは明確なので、「この治療をやっていれば問題ない」という発言をする医師からは離れたほうがいいでしょう。これは、代替医療を行っている医師でも同じです。

一般的な治療にも代替医療にも、必ずメリットとデメリットは存在します。デメリットを帳消しにできるのであれば、どちらも取り入れるべきではないでしょうか。

我が家の事例

私の家族のことで恐縮ですが、父がスキルス性胃がんを宣告されました。病院の方針であるのか、余命宣告やステージの宣告はありません(母の時もそうでした)。しかし、手術ができない状態であることと、肝臓に転移していることが発覚したので、良い状態ではないことは素人でも分かります。

父は「俺はまだ死ぬつもりはない」と言っていたため、お金がかかることを承知でオーソモレキュラー療法を勧めました。宣告された時点で栄養的な数値が下がってきているのが分かったので、抗がん剤の副作用は強くなるだろうと予測したからです。

しかし、オーソモレキュラー療法は一般的にはまだ浸透していません。70歳を過ぎている人ですから、素直に聞き入れるわけがないのです。治療の方法を決めるのは父なので、無理強いはしませんでした。その代わりに、体重を毎日のように測定してもらい、BMIが20を切った時点で取り入れるようにお願いしました。

父の治療方法は、経口薬のゼローダ錠と点滴薬のオキサリプラチンによるゼロックス療法です。2週間の服薬をし、1週間の休薬後に点滴を行うまでが1クールで、腫瘍マーカーは順調に下がっていきました。本人は喜んでおりましたが、私の顔は真っ青でした。

想像を絶するほどのスピードで、TPやアルブミンやHbなどの数値も下がっていきました。驚くことに、主治医は全く見向きもしません。予測はしていましたが、食欲不振が続き、3回目の点滴後にはほとんど何も受け付けなくなりました。水様便が止まらず、生気が感じられなくなりました。

この時点でも食事が摂取できる人なら、耐えて盛り返せるのかもしれません。しかし、父はおかゆもスープ類も受け付けなくなってしまったので(恐らく、精神的に)、みるみるうちに痩せていき、声もまともに出せなくなりました。家の中を歩くのがやっとで、ほぼ寝たきりの状態になってしまいました。

主治医に相談すると「副作用だからね……」と言われるだけで、栄養剤(エンシュアリキッド)が追加されました。でも、水様便が止まるわけではありません。

父の体重は、がんの発症前は標準体重をオーバー気味でした。しかし、たったの2カ月半で約20キロも落ちてしまいました。巨体ではないので、20キロ減は生命の危機をも感じさせます。

このままゼロックス療法を続けて確実に治るという保証があるなら、「頑張って耐えなさい」と言えます。でも、万が一のことがあったとして、栄養剤を飲むだけで人生を終えるのはあまりにも酷だと思いました。

私は言葉がキツイので、父にはこのようにお話ししました。

これ以上、何も食べられない状態が続いたら、治療に耐えられないよ?最悪の場合、このまま死んでしまうかもしれないよ?経口補水液と栄養剤だけでこの世を去るのと、今まで食べてきたものを食べてこの世を去るのとどっちがいい?

残酷なことを言っているようですが、本人も食べられないことと水様便が続くことに危機感を覚えていたようなので、虚ろながらも話は理解できたようです。

食べることに興味がない方なら苦痛は感じないでしょうけれど、父はそういうタイプの人ではありません。本人もよほどつらかったのでしょう。「栄養の治療もやってみる」と言い出しました。

現在は、高濃度ビタミンC点滴療法とサプリメントの摂取を続けています。がんの宣告をされる直前よりも食欲が出て、生気が戻ってきました。

オーソモレキュラーの医師による話が父の生きる力を取り戻したのか、「なんだか気が楽になった」と言い出しました。あまりにも調子に乗るものだから一もん着はありましたが、生きる気力を取り戻してくれたのであれば良しとします。

しかし、がん治療の主治医と決別はしていません。同時進行で治療は続けています。「しばらく抗がん剤治療をお休みしたい」と伝えたら、「服薬だけは続けてみましょう」ということになりました。

主治医は腫瘍マーカーしか見ていませんが、話が通じない方ではありません。

  • 口から食べられるのが一番
  • 副作用の出方と効果のあるなしは別もの

このように話をしてくれたので、まだ信用はできます。

帯津医師も書いておられますが、良い方向に向きそうな手段が目の前にあり、自分自身が良いと思えるものなら「取り入れてみる」「続けてみる」のが一番です。

高濃度ビタミンC点滴とサプリメントの摂取で約1カ月は持ち直しましたが、その後に再び食欲は落ちていき、この記事をアップした2カ月後に他界いたしました。栄養のおかげかどうかは分かりませんが、心臓が止まる30分くらい前まで意思疎通ができていました。その日の担当看護師に「この状態で会話ができる方は初めてです」と言われました。亡くなる3週間前には最後の旅行にも行けて温泉にも入れたので、告知されてからの半年は苦しかっただろうけれど、悔いのない人生だったのではないかと思いたいです。

この記事のまとめ

  • ホリスティックには、「包括的な」「全体的な」といった意味がある。肉体的な治療と精神的な治療をいくつか組み合わせることで、患者自身が生老病死と向き合い、自然治癒力を上げていく。
  • がんの治療は一筋縄ではいかないからこそ、治療法を一つに絞る必要がない。ただし、直観(直接的に本質を受け止める力)を働かせて、自分の心とからだに合った治療法を取り入れる必要がある。
  • 西洋医学も代替医療もメリットとデメリットがある。どちらかの医師が他の治療法を否定するようなら、患者は振り回されるだけなので離れた方がよい。どんな治療にも絶対はない。


ホリスティック医学入門 ――ガン治療に残された無限の可能性 (角川oneテーマ21)