分子栄養学実践講座の主催者であり、宮澤医院で栄養療法外来を行っている宮澤賢史先生の『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』をご紹介します。
元気になりたくて、薬に頼りたくなくて、独学でサプリメントを飲んでいると痛い目に遭う人も多いです。
- サプリを摂取するために糖質制限をしたら体調が余計にひどくなった
- ビタミン類を大量に飲んでも変化がない
- ミネラルをサプリメントで入れたら体調が最悪に
それは体内で大きな問題があり、サプリメントがうまく使用されていない証拠。元気になったと思ったら交感神経が優位になっただけで、あまり穏やかに過ごせていないなんてことも。
「良くなっている人もいるのにどうして?」とお悩みなら、ぜひ手に取っていただきたいです。
『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』のおすすめポイント
- 体に必要な栄養素を網羅
体にとって重要な栄養素が紹介されているのはもちろんのこと、栄養素の性質や効かせるためのコツなどが分かりやすく説明されています。どんなに重要な栄養素であっても、人によっては後回しにしなければいけない理由も書かれています。
- 健康診断の結果で読み取れる栄養不足
栄養療法(オーソモレキュラー)では60項目以上の血液検査を行いますが、健康診断での血液検査は20項目ほどです。人間ドックでも30項目ほど(オプションで増やせば40項目くらい)。しかし、健康診断の結果からも不調の原因となる栄養不足がある程度は読み取れるので、自分の不調の原因と照らし合わせられます。
- 何を食べないかについて言及
体にとって必要な栄養素を摂取するには、何を選んで食べるかはとても重要なことですが、それ以上に重要なのが栄養素の効き目を阻害する因子を取り除くことです。「なぜ食べない方がいいのか」の理由が詳しく説明されているので、不調の原因やサプリが効かない理由を見付けやすいです。
- 個体差による必要量
同じ病気や症状を持っていても、サプリメントの効き目には大きな差があります。それが個体差によるもの。「体の大きさ」「環境」「遺伝的要素」「性格」「今までの食事」など、さまざまな要素が絡み合って効果の有無がはっきりと出るため、血液検査データが全てではないことが理解できます。
- 栄養不足になる原因
栄養不足になる原因を探ってサプリメントを摂取しないと、本当の意味で健康を取り戻したとはいえないことが分かります。大量にサプリメントを飲むこと、同じサプリメントを摂取し続けることが栄養療法(オーソモレキュラー)ではないことが説明されています。効かせるためには何をするべきかのヒントが満載です。
- サプリメントが効かない理由
サプリメントが効かないのは「量の不足」「不足している栄養素の理解不足」「間違った摂取方法」「食事内容」「その他の原因」のいずれか。もしくは複数が絡み合って起こることが説明されています。効き目のない状態で続けることのリスクも理解できます。
難しい言葉は少なめなので、サプリメントのことを理解してうまく付き合いたい方は読んで損はありません。
『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』の注意点
サプリメントの必要量は不明確
宮澤先生は個体差のことに触れていますが、さすがに読者の個体差までは考慮できません。そのため、どれくらいの量を飲むと効果が発揮できるかの明確な答えはないです。
著書の中では何度も触れられていますが、サプリメントが効かない理由は一つではないため、検査をしないと原因が特定できないこともあります。
もし、「美容にいいから」「妊娠に必要な栄養素だから」「効いているかどうかはよく分からないが、とりあえず飲んでいれば健康を保てそうだから」という理由でサプリメントを選んでいるとしたら、時間とお金の無駄なので検査を優先した方がいいでしょう。
金銭的に栄養療法(オーソモレキュラー)が難しいなら、せめて人間ドックや健康診断で血液検査を受けてください。
サプリメントが体内で使えなければ臓器への負担が大きくなるだけで、元気になるどころか病気になってしまうことも考えられます。
サプリメントの商品紹介はゼロ
『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』には商品名は一度も出てこないです。したがって、自分に合った商品探しをしている方には向いていません。
病気や症状に効かせるためのサプリメント摂取にはリスクがつきものです。飲む商品や量を間違えれば、薬と同じように副作用が出てしまいます。
最後までじっくりと読んでいただければ理解できると思いますが、プロテインやサプリメントを摂取する前にするべきことを頭にたたき込まないと、永遠に大量のサプリメントに振り回されることになってしまいます。
「永遠になんて嫌だ」という方には向いている本です。
個体差を考えなければいけない理由
宮澤先生の言葉をそのままお借りします。
「足りない栄養素をそのまま大量に摂りさえすればよい」という単純なものではありません。
(『医者が教える「あなたのサプリが効かない理由」』より引用)
取っ掛かりとしてはどんな方法で栄養素を足してもいいですが、効果を感じられないのであれば原因を追求するしかありません。
- 日頃の食事
- 胃腸の弱さ(ピロリ菌やカンジダ菌なども考慮)
- 遺伝子問題
- 環境因子
- 心のブレーキ
など
ピロリ菌がいるのに頑張ってたんぱく質を取っても良くなるはずがありません。
無自覚にストレスを与えてくるDV夫と生活をしていたら、どれだけサプリメントを増やしても健康は取り戻せません。
個体差は体内だけの問題ではないので、効かない理由をしっかりと把握してみてください。除去できるものはできるだけ除去する勇気を持ち、栄養素が効かなくなる鍵をこじ開けていくことはとても大切です。