出汁を取るのがものすごく楽しくなる本で『だし生活、はじめました。』

夜の貴重なお時間にご訪問いただき、誠にありがとうございます。楽食楽生クリエイターのちえ(@funky_nutrients_c25)です。

出汁が効いたお料理っておいしいですよね!でも、忙しいという理由でつい出汁パックを利用したり顆粒出汁を利用したりしがちです。そんな方にぜひ読んでいただきたいのが、梅津有希子さんの『だし生活、はじめました。』です。

出汁の取り方を教える本ではありません。だし生活が日常になるまでの梅津さんのエッセイのような出汁本です。

おいしい出汁パックに頼っている方も、「へぇ!こんな料理にも!そんなに活用できるなら取ってみようかな?」という気にさせられることは間違いありません。

楽をしたい人ほど向いているだし生活

梅津さんの『だし生活、はじめました。』を読むと、ズボラな人ほどだし生活に向いているのだなということがわかります。だって、時間をかけずにおいしい料理を作れた方が楽で幸せですもの!

無駄に調味料を使わずに済むので、楽をしたい人ほど“だし生活体質”なのではないかと思ってしまいました。

出汁を難しく考える必要はない

THE適当人間の私ですが、和食のレシピ本も持っているし、料理教室で出汁の取り方を学んだこともあります。

でも、分量って教える人によって全然違うんですよね!例えば、かつお出汁の場合は10gのかつお節と書いてあるものもあれば、20g〜30gと書いてあるものもあります。これだけでも、面倒臭がり屋の人は取らなくなりそうです。

ところが、こちらの本を読むとそんなに面倒なことでもないと気付かされます。料理人としてお金をいただいてお客様にお出しするものでもないのだから、出汁の風味が効いていればいいわけです。

食べることが好きな人は出汁の効いた料理は好きなはずなのです。それなのに、毎日の料理で出汁を取らないのは、恐らく梅津さんと同じ理由なのではないかと思います。

基本的に年に2回しかだしをとらないので、毎回とり方を忘れてしまうということ。

–中略–

顆粒だしでも十分おいしい家庭料理が作れる、ということがあげられる。

–中略–

料理家や料理人によってだしのとり方が違うので、「いったいどのやり方が正しいのだろう」と混乱し、なかなか覚えられないということ。

入れるタイミングや取り出すタイミングを考えるとキリがないというか、「考えているくらいなら出汁パックや顆粒だしでいいや」ってことになりかねません。それなりにおいしくでき上りますものね……。

料理人でもあるわが相棒は、冷蔵庫に出汁のストックを欠かしておりません。かつお・昆布・いりこ(煮干し)・野菜の4種類がストックされています(野菜は皮を煮出したもので他は昆布といりこは水出し)。だから、彼の作る料理はおいしいし、手のかかっていないお茶漬けですらおいしいです。

出汁は火にかけて取るという固定観念がありますが、そんなことをしなくても十分においしく取れます。もちろん、本格的な料理を作るとなれば話は別ですが、日々の料理では繊細さなど考える必要はないです。

かつお出汁なんてドリッパーでも取れますし、みそ汁なら他の具材と煮込んで食べてしまってもいいわけです。たんぱく質も取れて一石二鳥(私はいりこ出汁もみそ汁と一緒に食べます)!

出汁の用途は広い

梅津さんは本書の執筆に当たり、出汁に関してかつお節専門店である「にんべん」のおだし教室や料理人への取材を行っています。その中で「出汁、恐るべし!」と思ったのがイタリアンと中華料理への活用でした。

※イタリアンは『イル・ギオットーネ』の笹島シェフ、中華は『星月夜』の遠藤料理長です。

『イル・ギオットーネ』は以前に一度だけ伺ったことがありますが、そんな知識もなく訪れたのでまた行きたいです。ディナーは価格がすてきですが(笑)、お味に見合う価格なのでもったいないとは思いません。

話は逸れましたが、和食にしか使用できないと勝手に思い込んでいたかつお出汁や昆布出汁が、トマトソースやパスタをゆでる時のお湯に使えるなんて目からウロコでした。

中華も市販の中華出汁を使ってしまいますが、あっさり味の炒め物や煮込みにかつお出汁が使えるなんて知ったら、無駄な調味料を購入する必要がなくなります。

※中華で使用する時は濃いめに取ることが重要だそうです。

私流だし生活を始めてみた

出汁がどんな料理にでも合うことを知ってしまったら、オタク気質の私はあれこれ試してみたくなります。

その前に「あれにもこれにも使えるんだって」と偉そうに相棒に話したら、「俺、いつもやってるだろ?」と言われてしまいました(はい、申し訳ございません)。

昆布出汁×干し桜えび×切りいかの合わせ出汁

最近はめったに小麦類を食べなくなりましたが、どうしてもイタリアンに応用したくて作ってみました。

朝のうちに昆布・干し桜えび・切りいかを水を張ったお鍋に入れておき、昼食にスープスパゲッティにしてみました(スープが足りなかった)。出汁として使用した桜えびと切りいかは具としても使用しています。

うまみの相乗効果が抜群!出汁でゆでるとこんなにおいしくできるものなのですね!

本当はトマトソースに合わせてみたかったのですが、トマトもトマト缶もなかったのでシンプルな塩味のスープスパにしてみました。これで正解だったかもしれません。

中華にも応用してみましたが、何度か失敗しました。通常の分量が適当なので、濃すぎたり薄すぎたりしてちょうどいい味がなかなか引き出せなかったのです(こういうことは失敗も苦にならない相棒にやらせるべきでした)。

目指すはあご×しいたけ×鶏がら出汁ラーメン

茅乃舎の出汁が有名になったことで、限定的に使用されていたあご出汁ブームが止まらないそうですね!私もあご出汁は好きです。

『だし生活、はじめました。』の中で、梅津さんのお母様が作っていた鶏がら×あご出汁があまりにもおいしそうだったので(頭の中で妄想)、年越しそばの出汁はこれで取りました(正月前で鶏がらが売り切れていて、正確には手羽元)。

わが家にはストーブがないので、ごく弱火で朝からコトコト静かに煮出しました。手羽元でも十分なおいしさでした。

「これはラーメンに使用してもおいしいに違いない!」と思ったので、今年は四章で出てきたあご×しいたけの出汁に鶏がらをプラスしてラーメンにも挑戦してみたいと思います。

ここまでお読みいただいた方は相当な食いしん坊だと思います。ぜひ、体にもいいことづくめなので、ぜひ「だし生活」を始めてください。