糖質制限の考え方が派生していろいろな食べ方ダイエットが流行しています。
しかし、糖質=悪ではありません。やるべきことは思い切った糖質カットよりも血糖値の急上昇を抑えることです。
ダイエットや健康を意識した時にぜひ読んでいただきたいのが、超有名管理栄養士・足立香代子さんの『医師が信頼を寄せる栄養士の糖質を味方にするズルイ食べ方 人生を守る「足し算食べ」BEST100』。
糖質三昧の食事をしている人が急激に糖質をカットするとからだに異常をきたすので、まずはズルイ食べ方を身に付けてみてはいかがでしょうか。
『ズルイ食べ方』のおすすめポイント
- 食べる楽しみが広がる
病気の予防や治療食では一般的に「引き算食べ」と言われる制限食がついて回りますが、これが一生続くとなると食べる楽しみを奪うことにもなりかねません。足立先生が医療機関で指導をしてきた「食べる楽しみを広げる方法」が分かりやすく説明されています。食べ物の悪い点を見るのではなく、カバーをするという考え方が身に付きます。
- 「足し算食べ」という考え方
『ズルイ食べ方』で学べるのは糖質を味方にする食べ方です。糖質の取り方を間違えると血糖値の急上昇・急降下が起こりますが、他の食材をプラスすることで上昇と下降を緩やかにします。たんぱく質や脂質のおかげで腹持ちが良くなり、ドカ食いを避けることができるのです。また、結果的に栄養のバランスも整えられます。
- 「後食べ」という考え方
適量の糖質をたんぱく質・脂質・食物繊維で満たしてから食べるのが「後食べ」です。考え方は「足し算食べ」と同じで、糖質の吸収を穏やかにするのに適しています。「後食べ」を身に付けていると、外食でもメニュー選びに困ることがありません。
- 外食・中食(調理済み食品)でも使えるワザ
外食・中食の欠点は、糖質の量が目に見えないことと栄養バランスの悪さです。足立式「足し算食べ」+αを知っておくと、決してからだに良いとはいえない食べ物でも栄養素の底上げができます。毎日だと毒ですが、「料理ができない」「手を抜きたい」「料理をしたくない」といった時に役立ちます。
- 健康を維持する料理&食べ方テク
血糖値の急上昇を抑えるための料理テクや食べ方テクが網羅されています。調味料の使い方やそしゃく回数を上げる食べ方などが身に付くので、自炊でも外食でも中食でも健康を維持しやすいです。また、甘いものを欲してしまう塩分過多の食事を工夫する方法も書かれているので、減塩が必要な人の参考書にもなっています。
『ズルイ食べ方』の注意点
間違った解釈をすると太る&病気になる
たんぱく質や油を上手に利用しながら血糖値の上昇を抑えるのがズルイ食べ方なのですが、際限なく食べてもいいとは書いていません。
例えば、脂質と炭水化物を融合することで糖質の吸収が穏やかになるからといって、丼ご飯にマヨネーズをたっぷりとかけて食べればOKという単純なものではないです。
適量でおなか八分目くらいに留めないと、ズルイ食べ方を実践しても太る&病気になる未来が待っています。
果物の果糖に関しては要注意
果物の果糖は太らないと書かれていますが、これに関してはう呑みにしない方がいいです。
現代の果物は品種改良が進んだもので、酸味や渋みの少ないものに変化しています。何を食べても甘いのは、誰もが知っていることでしょう。食べる量は調整しないとせっかくのズルイ食べ方も水の泡になってしまいます。
血糖値の上がり方は人によって違うので、自分にとっての適量を把握しておくことが大切です。
大食いさんには不向き
ギャル曽根さん、もえあずさん、アンジェラ佐藤さん、おごせ綾さん……。テレビでもよく取り上げられる大食いさんはズルイ食べ方ができません。大食いになる理由は血糖調節異常の一種だからです。
このタイプの方たちは血糖値が上がらないので満腹感がありません。一見すると血糖値の変動が緩やかに見えるのですが、常に低い数値が保たれているので食べ続けないと生命の維持できないのです。
細身の人たちが多いのは食べたものの栄養をほとんど吸収せずに排せつしてしまうからで、あれだけの量を食べていても太れません。一言でいえば“うんちの製造工場”になっているのです(中にはおう吐している人もいるのでは?)。
このような方はズルイ食べ方よりもまずは治療が必要です。
食後高血糖を見逃してはいけない理由
残念なことに、健康診断では食後高血糖を測定できません。空腹時に血液検査をするのが基本で、食後の血糖値を測定することがないからです。
血液検査データで血糖値に異常がなければ問題がないとみなされますが、知らない間に糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー・白内障・骨粗しょう症・心筋梗塞・脳梗塞などにまっしぐらなんてことも……。
食後に強い眠気が襲ってくる方は要注意!だるさや疲労感が抜けない方も食後高血糖を疑った方がいいかもしれません。
食後高血糖はリブレを使えば簡単に調べられます。先述したように、血糖値の変動には個人差があるため、何を食べると血糖値が上がりやすいかを頭に入れておくといいでしょう。
血糖値が上がりやすいからといってNG食材にするのではなく、ズルイ食べ方と併用してコントロールすれば食事の楽しみも奪われません。