(´-`).。oO(栄養療法が宗教化している気がしてならない今日この頃)
— あんどうちえ(食育アドバイザー) (@ortho_c25) December 16, 2019
少し思うところがあり、(過去の私が)思わずつぶやいてしまいました。この世界にどっぷりとつかった人の発言があまりにも度が過ぎていたのでつぶやいたまでです。
当時はあまり周知されていなかった分子栄養学(栄養療法、オーソモレキュラー)ですが、SNSで知る人も増えてきました。
現段階で治療中の方、これから取り入れようと思っている方に向けて、あらためて警鐘を鳴らしたいと思います。
2024年6月20日に加筆・修正を行っております。分子栄養学から離れた経緯はこちら。
分子栄養学(栄養療法、オーソモレキュラー)は万能治療ではない
分子栄養学(栄養療法、オーソモレキュラー)で元気を取り戻した方が、標準治療をしている医師や栄養療法に嫌悪感を抱いている一般の人に対して暴言を吐いているツイートをたまに見かけます(Twitterの機能上、自分のフォロワーじゃなくても勝手に目に入る)。
マウント取って楽しいですか?
目に余る発言をする方がたまにいて、「世界中に発信しないでいただきたい」と思ってしまいます。
治療にサプリメントを使用するなんてただでさえ怪しいのに、他の治療法をけなすような物言いをしていたら新興宗教にしか思われないのがオチです。
あなたが栄養を入れることで改善したからといって、他の人も同じとは限らないよ?
自分が良くなった方法なら誰かに教えてあげたくなる気持ちは分かります。しかし、自分が取り入れて成功した方法をゴリ押しするのは、○○ダイエットをゴリ押しするのと全く変わらないです。
こういうことを言ってしまっているわけで……。
栄養が不足していると治療に時間はかかりますが、栄養が吸収できない原因をいくつも抱えている人もいるので一筋縄ではいきません。状態が一進一退でつらくなっている方の心を惑わすことになりかねないのです。
信者の言葉に惑わされてはいけない理由
栄養素は毒にもなりうる
栄養を入れただけで良くなるのだとしたら、そんなにこじらせていない素直な体であるといえます。車に例えると、入れたガソリンがしっかりエネルギーとして使われるから走れるようになっただけです。
しかし、どこかに漏れる要素があれば、どんなに補充をしてもうまく回りません。だからこそ、がんや難病持ちの方が取り入れるには慎重さが必要です。
素直に栄養素が回った人の経験が、必ずしも自分自身に当てはまるとは限りません。
本当に必要な治療なのか?
納得して治療を選んだのであればいいですが、そうでなければかえって悪化させてしまうこともあります。
こう言ってはなんですが、死に直結する病気の場合、どんなに必要な栄養素を摂取しても死ぬ時は死にます! 無理に摂取した栄養素が毒になることもあるので、栄養が病気を治す起爆剤になると信じ過ぎるのはNGです。
※特に、高濃度ビタミンC点滴のような直で栄養を入れるものに関しては毒の側面が大きい。
暴言を吐く信者が健康を取り戻したとは限らない
暴言を吐く栄養療法信者に共通しているのが偏った食事です。
- プロテイン(またはアミノ酸)頼み
- 過剰な糖質制限
- サプリメント頼み
特に多く見受けられるのがこの3つ。そして、人間らしい食事をしていないことも共通しています(やたらとお肉を食べる、野菜の摂取量が極端に少ない、旅行や友人との会食であっても◯◯は口にしないなど)。
本来ならば何を食べても不調にならないのが健康な状態であるにも関わらず、永遠と対症療法を続けているのです。
「いつもパワフルでいいな」「自分も早く脱出したいな」と思うかもしれませんが、偽物の元気にだまされてはいけません。
Twitter(現X)やInstagramのフォロワーさんで人間らしい食事をしていない分子栄養学信者がいれば、どんなに知識が豊富な人でも距離を置いた方がいいです。
人間にとっての食事は餌ではありません。楽しんだり、コミュニケーションをしたり、時間を共有したりするひと時も含まれるのです。
治療中の人がするべきこと
真面目をやめる
治療中の方のSNSで気になるのは“真面目な性格”です。頑張れるエネルギーが作れていないのに、日常でもSNS上でも頑張ってしまっています。そして、情報に惑わされてしまい、頑張った結果が不調として現れるのです。
私の闘病時代にはSNSがまだ存在していなくて、ブログや掲示板などで似たような方たちと交流していました。インターネットがあって良かったと思っていたし、完治した人からは頑張る勇気ももらえました。
しかし、主治医にはこんなことを言われました。
ほどほどにしておきましょうね。調子が良い時は良い方向に導いてくれますが、悪い時は悪い方に引っ張られますよ。
その時は理解できませんでしたが、真面目に治そうとする行動自体が治療の妨げになっていると後から知ることとなりました。
どんなに良い情報も諸刃の剣! 真面目に取り入れようとすると、「〜ねば」「〜べき」といった思考に陥り、良くなっていた体が一気にふりだしに戻ります。
人の言葉に惑わされやすいなら、インターネットからはいったん離れましょう。確立したやり方が揺らぐと、1からのスタートになって今までの時間が無駄になってしまいます。
治療以外に打ち込めるものを探す
状態が悪化している時は、治療以外に目を向ける気力すらなくなっていることは確かです。しかし、なんでもいいから打ち込めるものを探してください。
治療だけに専念すると治すことだけが目的となってしまうので、良くなってきた時にぶり返すことも少なくありません。
大切なのは良くなった後の生き方
今まで好きだった趣味でもいいし、1日中ドラマや映画を見るでもいいし、散歩でもいいです。
女性ならイケメンに目をハートにし、男性なら美女に目を輝かせるでもいいでしょう(妄想にとどめてくださいね!)。
何か一つ、治療とは全く関係のないところにベクトルを持っていくと、逃げ道ができてつらさも軽減されます。
余命何カ月と宣告された人が「どうせ死ぬなら、好きなことをやって死にたい」と頑張ることを止めた途端に寿命が伸びたという話はゴロゴロとあります。
こじらせにこじらせた体調不良の治療は確実に長い道のりになるので、7割くらいの力でのんびりと構えた方がいいです。これができれば体調不良のプロ! 今までよりも良くなる速度が速まります。