糖質制限時のカロリー維持に『仙台勝山館MCTオイル』を使用しています。
以前、商品を注文した際に、『「糖質制限+中鎖脂肪酸」で確実にやせる! 驚異のMCTオイルダイエット』の著者でもある畠山昌樹医師のMCTオイルダイエットセミナーのお知らせが入っていたので、思い切って参加してきました!(TBS系列の『ダイエット総選挙』にも出演されていたようです)
私は栄養療法を勉強している身なので、栄養の摂取に関して感じた問題点をピックアップしながらお伝えします(※1)。
MCTオイルダイエットの効果について医師に聞いてきました!
セミナーの内容や参加者からの質問から、ダイエットに特化した重要なポイントを、私の言葉でQ&A方式にしてみました。
MCTオイルって何?
一般的な油(長鎖脂肪酸)は血液を循環しながらいくつかの分解を行いますが、中鎖脂肪酸はこの代謝を必要とせずに肝臓へ運ばれるので、蓄積されにくいです(早い段階でエネルギーとなる)。
糖質の代わりにMCTオイルをエネルギーとすることで、体のエネルギー源をブドウ糖由来のエネルギーシステムからケトン体由来のエネルギーシステムに変えます。
ケトン体由来になると何がいいの?
空腹感を感じにくくなります。
ケトン体の血中濃度を上げると、満腹中枢を刺激しておなかが空きにくくなります。理性で抑えられないほどの空腹感を感じることはなく(別名:炭水化物中毒)、基礎代謝も落ちません。
MCTオイルダイエットはリバウンドはしないの?
通常のダイエットはカロリーを落として痩せるものが多いです。
カロリーを落として痩せる→筋肉が落ちる→基礎代謝が落ちる→痩せにくくなる→また食べる→リバウンド(脂肪が効率良くつく)
ダイエットをする度に筋肉量が減少して脂肪がついていくので、繰り返す度に健康を失います。
MCTオイルダイエットは、筋肉が落ちないので基礎代謝も落ちません。体は脂肪代謝メインになるので、太りにくい体に変化していきます。
そんなに食べていないのに太るのはなぜ?
現代の食事の問題点となっているのが「食事はいつでもどこでも手に入る」点です。
手軽に食べられる食事のメインとなっているのが炭水化物(炭水化物=糖質+食物繊維)で、摂取量を控えていてもお菓子やジュース類などからも糖質を摂取している人が増えています。さらに脂質が加わると太りやすくなります。
エネルギーとして先に使われるのが糖質で、エネルギーとして使えなかった分は脂肪として蓄えられます。脂質もエネルギーとして使われないので太ってしまうのです。
1週間でガクンと体重が落ちて、その後はなかなか落ちないのですが?
誰でも1週間目はガクンと体重が落ちます。-900kcalで脂肪は100gくらいしか減らないので、直近の体重だけで判断してはいけません。
1カ月のトータルで1〜2kg痩せた時、本当に体脂肪が燃焼して痩せたと言えます。むくみが取れて体重が落ちる時以外は効果の出方が緩やかなので、焦らないようにしましょう。
MCTオイルダイエットに運動は必要ない?
MCTオイルダイエットの売りの一つに「運動は必要ない」というものがあります。だからこそ、運動が嫌いな人たちが飛びつきたいと思うのではないでしょうか。
しかし、「活性酸素が大量発生しないくらいの軽い運動はした方がいいのでは?」と個人的には思います。体にも、脳にも、美容にも、骨作りにもいいのだから。
肥満1度になった私の体験談
私は子供の頃から得意だった水泳以外の運動は苦手です。「ジョギングをする」「ジムに通う」などは意味がわかりません(笑)。だから、運動をしたくないという人の気持ちはよくわかります。特に、太っていると日常生活で動くことすら面倒ですよね……。
太っていなかった頃は「動くのが面倒」という意味が理解できずにいたのですが、自分自身が肥満1度の状態になって初めてわかりました。
「とにかく動くのが億くうだ」という感覚に陥ったのが約8年前!動くのが面倒なのに、食べる量は全く変わりません。食べ過ぎるから太るのに、掃除や買い物といった日常すら面倒だと思うようになり、「これはマズイ。真面目に痩せないと」と危機感を覚えました。
- 身長:147cm
- 体重:62kg
- BMI:28.7(肥満1度)
十分な肥満レベルに達しているのですが、テレビのダイエット企画に出てくるような巨体の人と比べて「まだ大丈夫」と思っていました(本気で)。
しかし、危機感を感じた時に「テレビの人たちと一緒だ。これ以上は太ったら絶対にダメ!取り返しがつかないことになる」と自分にムチを打ったのです。
当時はカロリー制限と運動(エアロバイク・ウォーキング・ダンベル体操)をし、1年間で体重は9kgも落ちました。ただし、食べる量が減って運動量が増えただけなので、やめた途端に3kgのリバウンドをしました。
MCTオイルダイエットにも運動は必要
畠山医師は「運動は必要ではない(体脂肪のみ分解していくため)」と仰っていますが、MCTオイルダイエットをするにしても最低限の運動は必要だと断言できます。
太っている人は筋肉量が少ない!
従来のダイエットは筋肉も分解してしまうことが問題点として挙げられているのですが、太っていると普通に動くことすら億くうなので筋肉が発達していません。脂肪をエネルギーとするMCTオイルダイエットは、理論的には運動が必要ないと言えます。
しかし、筋肉量が少ないとエネルギーに変換してくれるミトコンドリアも少ないので、MCTオイルをエネルギー源として活用できません。少しでも動いて筋肉量を増やしてあげないと痩せられないという悲しい現象が起こります。
自己免疫疾患等でホルモンバランスが崩れて太ってしまうこともありますが、太るということは基本的に食べることが好きですよね?それならば、食べ物の質を変えて、しっかりと食べて運動をしながら奇麗に痩せる方が楽しくないですか?
ダイエットモニターの食事例を見せてもらったのですが、人間らしさが微塵も感じられず、私が取り入れていたら「やめた途端に太るだろうな」と感じてしまいました。
リバウンド後の私は、家事レベルの運動(運動とは言えませんが)は続け、なんとか56kgをキープしていました。2016年の10月から栄養療法(オーソモレキュラー)の勉強するようになり、栄養解析の結果から糖質制限(+MCTオイル)を取り入れるようになりました。
- 身長:147cm
- 体重:56kg
- BMI:25.9(肥満1度)
- 体脂肪:35.6%
- 内臓脂肪:6レベル
この数値でスタートし、3カ月後には「体重:-2.5kg、体脂肪:34%台、内臓脂肪:5.5」まで落ちました。ところが、そこからの落ち方が緩やか過ぎて、簡単なエアロビクスを取り入れるようにしました(以下のシリーズ)。
ダンスの経験はゼロですが、ライブで汗が絞れるほど踊るのは好きなので、上手にできなくても始めました(できないのは腹が立つのでムキになって続けたともいいます)。今では普通についていけるようになったので、昼食後と夕食後の食直後に30分だけ踊っております※2。
- 身長:147cm
- 体重:50.8kg
- BMI:23.5(普通体重)
- 体脂肪:28.7%
- 内臓脂肪:5レベル
筋肉量は34.4〜34.7kgをキープしながらここまで下がってきました。カロリー制限なしの糖質制限食なので、大好きな肉と魚は大量に食べながらです(適正体重まであと約3kg!)。
何が楽しいと感じるかは人それぞれなので強制できませんが、いつもの買い物に強歩で片道20分位のところまで行くとか、通勤時に一駅でも二駅でも歩くとか、わざわざ運動を意識しなくても取り入れられることはたくさんあります(※3)。
運動を取り入れることによって程良く筋肉もつけられますし、何よりもストレス解消になるので、MCTオイルダイエットをするにしても絶対に取り入れた方がいいでしょう。
MCTオイルダイエットの問題点とは?
MCTオイルを使ってダイエットをすることに問題はありませんが、セミナーの内容で引っかかった部分を問題点として挙げました。
推奨しているエネルギーが1,200kcal(女性)〜1,400kcal(男性)です。これではカロリーが低過ぎます。痩せて当然のカロリーともいえます。
基礎代謝量は人によって違いますが、基礎代謝量が少ない私ですら1,100kcalは何もしなくても消費されます。そこに日常生活動作を加えるともう少し消費されるので、畠山医師の推奨するエネルギーでは足りません。
摂取カロリーが低いとどんなに良い脂質(魚油や亜麻仁油などのω-3系)を摂取してもエネルギーとして使われますし、タンパク質も利用率が低下するので摂取量を増やす必要性が出てきます。
畠山医師はカゴメまたは伊藤園の野菜ジュースを勧めています(炭水化物量の点から)。セミナーでは問題ないと仰っていましたが、(恐らく)機能性低血糖症のことは考えていないのだと思われます。
機能性低血糖症は正式な病名ではありませんが、少なくともそれまでの食生活で糖質過剰になっているとなりやすいです。
ジュースを飲む時間帯は空腹時である食前ですし、いきなり14gほどの糖質を摂取するのは自殺行為としか考えられません。糖尿病ではなくても、急激に血糖値が上がる人もいます(その後にインスリンが働き過ぎて低血糖が起こる→体の不調)。
参照栄養素の説明 炭水化物-糖質(オーソモレキュラー.jpより)
機能性低血糖は糖負荷検査で調べられます。朝から晩まで糖質まみれの食事をし、以下のような症状がいくつも重なる人は疑った方がいいでしょう。
(「低血糖症と精神疾患治療の手引―心身を損なう血糖やホルモンの異常等の栄養医学的治療 (第5版)/柏崎良子著」より引用)
畠山医師はドラッグストアで購入できるサプリメントで問題ないと仰っていますが、添加物だらけなのでお勧めできません。これらを摂取するくらいなら、タンパク質と質の良い脂質を中心にしっかりと食事から栄養素を摂取した方が美しく痩せられます。
サプリメントは食事では摂取しきれない栄養素や不足しやすい栄養素を補充するためのものであって、少ない摂取カロリーの足しにするものではありません。
食材の良いところは、栄養素同士がお互いの働きを高めるために組み合わさって存在しているところです。体脂肪が燃焼できない食生活が悪いのであって、食べることは決して悪ではありません。
人によって持病があったり、不足している栄養素がバラバラであったりと、似たような体形であっても大きな個人差があります。
畠山医師の指導のもとで行うならまだしも、個人が勝手な判断でやるようなダイエットではありません(理由は糖質制限ダイエットと同じ)。特に持病がある方は必ず医師の指導のもとに行う必要があります。
栄養療法(オーソモレキュラー)の勉強中に白澤卓二医師の講義を聴く機会がありました。そこでお話されていたケトン体の血中濃度の上がり方を記しておきます。
MCTオイルは1時間半くらいでケトン体の血中濃度がピークに達して3時間後には元に戻ります。ココナッツオイルは3時間位でピークに達し、7〜8時間位で元に戻ります。
中鎖脂肪酸を利用する場合は、この点を考慮して取り入れるようにしてください。ちなみに、私はココナッツオイルが苦手なので、ココナッツ由来の『仙台勝山館MCTオイル』を選んでいます。
まとめ
中鎖脂肪酸はてんかんの治療で主に使われてきたもので、安全性は確立されています(※4)。糖質制限が必要なのに、長鎖脂肪酸(オリーブオイル、ごま油、ラードなどの家庭で使われる油)が使えない人が摂取するエネルギーとしても適しています。
実際に取り入れてみると実感できると思いますが、MCTオイルを活用し始めると本当におなかが空きにくくなります。私は糖質制限+MCTオイルの活用でダイエットをしておりますが、ダイエット以外にもさまざまなメリットを受けています。
- 脳がクリアになった(「アレ」という言葉が減った)
- 末端冷え性がなくなった
- 肌のハリが出てきた
- 月経前症候群・生理痛がなくなった(ヘム鉄・ビタミンB群サプリも併用)
- 肩こりが楽になった
私の場合は実際に体への変化が感じられるので、MCTオイルを使用することに問題はありませんが、本の内容だけでダイエットを進めていくのは絶対にお勧めできません。全ての人に合う完ぺきなダイエット方法はこの世に存在しないからです。
少なくとも、MCTオイルダイエットを実践する時は血液検査をしながら体の状態を把握するようにしてください。
