Shikao & The Family Sugar TOUR ~Acoustic Soul~@LINE CUBE SHIBUYA

朝の貴重なお時間にご訪問いただき、誠にありがとうございます。楽食楽生クリエイターのちえ(@funky_nutrients_c25)です。

@LINE CUBE SHIBUYA(2025.2.26)

毎年恒例! スガシカオさんの周年ライブに行ってまいりました。レジェンドたちの演奏にしびれました。

※雑な感想でスミマセン!

ファミシュガAcoustic Soulツアーの感想

今回のツアーはS席とA席の2種類がありまして、Xではわりと大荒れでした。デビュー記念日の2月26日だけは全席がS席で、全員がセルフオープニングアクトを聴けるという唯一の日でした。

オープニングアクト

オープニングアクトの扱いは雑なようで(笑)、幕が下りたままの登場でした。なんだか窮屈そうな感じが……。

卒業シーズンだからか、1曲目は「仰げば尊し」でスタート。これで油断しました。まさか、卒業定番ソングをもう1曲歌うとは思っておらず、急きょ練習したというレミオロメンのカバー「3月9日」に泣かされる羽目になりました。

インスタのストーリーズでも書いたのですが、「3月9日」は私にとっては卒業ソングではありません。闘病時に観ていたドラマ『1リットルの涙』の挿入歌で、自分を奮い立たせるための曲だったのです。好きなアーティストが歌う「3月9日」は、あの時の苦しさを一層してくれるものでした。

歳を重ねるにつれて声が出にくくなるアーティストもいますが、努力の人“シカオちゃん”は年々上手になっていくイメージがあります。トーク中は(医師に老化と言われた)ダミ声が気になりますが、歌っている時はとても心地よい!

「ヒットチャートをかけぬけろ」「愛について」は少し間違った部分があるけれど、そういう部分を含めてご愛きょう。ひとりで果敢に攻めるスタイル(ヒトリシュガー)があるからこそ、さまざまなバンドバージョンで楽しませてもらってます。

Acoustic Soul 本編 & アンコール

ファミシュガの演奏は本当に安定していて、安心してシカオちゃんの歌に集中ができます。音がアダルトなのですよ、本当に。間宮さんのギターも、沼澤さんのドラムも、森さんのキーボード(ぶっちゃけ打楽器)もとにかくセクシーです(もちろん竜太さんも)。

1曲目はずっと聴きたかった「8月のセレナーデ」でした。スガ曲で初めて「おっ」と心に引っかかった曲だったと記憶しております。私がスガシカオにどハマリしたのはラジオ番組『Across The View』だったので、それまではSMAPの「夜空ノムコウ」を作詞したラジオの中の人くらいの認識しかありませんでした。

最も聴きたかった曲からのスタートで心が踊り、そのままズボズボとファミシュガ沼に引きずり込まれることになりました。幾度となく聴いてきた「黄金の月」なんて、このメンバーでしか鳴らせない完ぺきな音なのです(一番しっくり来る)。しっかりと情景が描けるのだから、サポートメンバーの出しゃばりすぎず引っ込みすぎずな安定した演奏は重要度が高いなと思いました。

「Soul Music」での全員セッションはすごく良かったです。3ブロックに分けてのクラップ参加! 私は真ん中のBブロックだったので、シカオちゃんいわく一番難しいクラップでしたが、ヒゲダンで鍛えているので全く難しくはありませんでした。この曲はスガマニアの思いが詰まっていますよね。唯一無二のスガファンク・スガソウルというスパイスのおかげで、同じような日々にメリハリをつけてもらっているわけですから。

これが聴けて良かったと思ったのは「310」です。先日、Xで少し祭りになっていた「スガシカオって何から聴けばいいの?」で関わってはいけないスガマニアに入れていた人が多い曲でした。

エロティックな曲を作る人はたくさんいると思いますが、使われる言葉や合わせる曲が秀逸な日本人アーティストは少ないと思います。言葉からも曲からもニオイが漂ってくるし、シンプルに削ぎ落とされたファミシュガのみの音によって余計にエロスの要素が増して聴こえるのです。これは生の音で聴かないと良さが分からない!


↑私はこれを選びました

「サービス・クーポン」も最高でしたね。スガシカオの真骨頂と言っても過言ではないでしょう。歌い方は若い頃のほうが好きですが、ファミシュガの演奏力とシカオちゃんの歌唱力が上がっている今のほうが体はうずきます。

今回のアルバムには“たった一人のために書かれた曲”と“前を向いて歩くための曲”が入っていました。


「6月9日」はシカオちゃんのひとり言のような曲で、突然逝ってしまった現場マネージャーに向けたレクイエム(本来ならば、この日もこの場にいたであろう人に向けた)。悲しさよりもショックが強かったことがよく分かります。その思いが空気で伝わってきたし、この全ツアーを彼も楽しんでいるのだろうと思いながらフラットな気持ちで聴かせていただきました。

その後に続いた「Let’s get it on」は、亡くなった方に対して悲しいと思うばかりではなく、しっかりと前を向いて生きていくための曲(タイトルに関してはゴニョゴニョ……)。

「ゴスペルをイメージしてレコーディングの時に自分の声をいろいろと重ねてみたが、どうにもこうにも“複数のスガシカオが歌っている感じ”になってしまい、みんなの声を重ねることで完成する曲だ」と説明がありました。歌詞が全てなので、何も付け加えることはありません。

人生って一度きりの生き残りゲーム
ぼくが選べるコマンドはひとつ「明日へ進む」だけなんだ

Let’s get it on

あの一体感は特別なものでした。会場にいた皆さんが脳裏に描いたであろう“亡くなってしまった大切な人”に向け、「一生懸命に生きてるよ〜。自分のゴールではまた会おう」と歌っているようで、今までのライブでは感じたことのない独特な空気感を感じました。

ぼくらの行く道は きっとひとりぼっちのレース
走り切っても歩いてでも どちらでも同じゴール

Let’s get it on

いつも「午後のパレード」が始まると「ああ、もう終わりか」と急に現実に引き戻される感覚があるのですが、最後は「SWEET BABY」で締めてくれました(真面目に歌詞を読んではいけない曲=子宮で聴く曲)。全員のフェロモンが大爆発! とんでもなく官能的な時間でした。

アンコール

アンコールはバタバタと終わってしまった感じがしました。少しだけ残念な気持ちもありつつ、「君が好きです」の世界観がたまらなくて◯にそうでした。若い頃の私を表現しているような歌で、聴く度にニヤニヤしてしまいます。歌詞と曲のギャップが、このメンバーだとこう表現されるのかとさらにニヤニヤしてしまいました。

Acoustic Soulツアーのセットリスト

セットリスト(オープニングアクト)
  • 仰げば尊し
  • アシンメトリー
  • そろそろいかなくちゃ
  • 3月9日(レミオロメンのカバー)
  • ヒットチャートをかけぬけろ
  • 愛について
セットリスト(本編)
  • 8月のセレナーデ
  • 見る前に跳べ.com
  • 黄金の月
  • ゼロジュウ
  • 日曜日の午後
  • 発芽
  • AFFAIR
  • あなたへの手紙
  • Soul Music
  • ぬれた靴
  • 310
  • サービス・クーポン
  • Loveless
  • ヤグルトさんの唄
  • 6月9日
  • Let’s get it on
  • ストーリー
  • 午後のパレード
  • SWEET BABY
セットリスト(アンコール)
  • Progress
  • 君が好きです
  • 情熱と人生の間~このところちょっと

LiveFansより

個人的な思い

求む! FUNK FIRE再結成

私は10周年ライブがワンマンの初参加で、その後に結成されたFUNK FIREからのスガシカオを見守ってきた人です。ファミシュガで聴くシカオちゃんもいいのだけれど、やはり一皮むけてからのスガミュージックを求めてしまいます。

来年は29周年! ファンクザウルスでキッシーが戻ってきたということは、例の件が和解したということだと受け取っているので、ぜひともFUNK FIREの復活を願っています(pochiさんが無理なのかな?)。

メンバー紹介でのやり取りに苦言

この日は映像作品に残すためのカメラが入っていて、その特典に入れる座談会をリハ前に行ったとのことでした。「話を振っても、みんな疲れてるから話さないと思うんだよね」と言って本当に話を振らなかったのですが……。

こちらからすると「それはないでしょう」という気持ちです。いつもサラッと紹介しているアーティストならなんとも思いませんが、シカオちゃんの場合は違います。メンバーとのやり取りも含めてライブの妙味だと思うので、しっかりやってほしかったです。

人生後半に突入した人たちの覚悟

『Acoustic Soul 2014-2024』は(言うと怒られるけど)就活みたいな気持ちで作ったと話していました。「スガシカオってファンクだのソウルだのって言ってるけど、『あなたへの手紙』みたいな曲しか作ってないじゃんとか言われそうで。自分のルーツであるソウルやファンクをちゃんと作りたい(ファンクザウルスの活動もその一つ)」。胸がキュッとなりました。

「そうだよな、30周年が来るということはシカオちゃんの60歳も同時にやってくるんだよな」と。60歳なんてミュージシャン生命が絶たれる年齢でもないし、スガマニアも元気でいるだろうけれど、“その時”のことも考えなければいけない歳になったのだなと痛感させられました。

今は「80歳になってもライブには行く」と豪語していますが、現実的にそれができるとは限らないし(そもそも80歳まで生きているのかさえ分からない)、好きなアーティストが生きているとも限らないということは覚悟しておかなければいけないですよね(考えたくないけど)。