夜の貴重なお時間にご訪問いただき、誠にありがとうございます。食育アドバイザーのちえ(@funky_nutrients_c25)です。
2020年は『鬼滅の刃』にどっぷりとつかり、最近はアニメをよく見るようになりました。
今、続けて見ているのが『食戟のソーマ』。これが見たいがために、アマゾンプライム会員をいったんやめてdTVに登録しました。
料理系アニメだから飽きないというのもありますが、表現方法が独特なところがツボなのかもしれません。
本当に美味しいものを食べた時の悦楽
『食戟のソーマ』では、おいしさの表現を全裸になるという独特な方法で表します(笑)。
現実世界でこんなことが起きたら犯罪者になってしまいますが、本当に美味しいものを食べた時の悦楽はこの表現がピッタリな気がします。
これは人間だけが持つ独特の感情なのだと思います。動物にも味覚はあるようですが、料理を食べる習慣がないですからね。
野生の動物に限りですが、彼らは食べたいものを食べているわけではありません。生きるためだけに餌を食べているわけですから、生きるためだけの食事をしていない人間に生まれてきたのにこの感情が育たないのは少しだけ寂しい気がします。
食べることで悦楽を高められるのは、小さい頃からの食事の環境が大きいと感じます。食事を楽しいと思える環境がなければ、仮に美味しいものを並べられても「おいし〜い!」とはならないはずなので。
そう考えると、『からだすこやか茶W』のキャッチコピー「おいしいものは、脂肪と糖でできている」は全くのうそですよね。脂肪と糖でできたものは、味覚が育たなかった人だけが感じる偽のおいしさなのではないかと思います。
悦楽を感じるか感じないかは親の影響が大きい
さて、本当に美味しいものってなんだろうとふと考えました。これは人によって大きく差がある気がします。離乳食が終わった後、どんなものを食べさせられたかによって差が出てしまうのでは?
- 自然に近い味のものを食べさせられる⇒味の濃いものはまずいと感じるようになる(外食が難しい)
- レトルト食品や冷凍食品などの加工食品、添加物の多い中食を多く食べさせられる⇒味の薄いものや自然の味はまずいと感じるようになる
- 家では基本的に親が手作りしたもの、外ではいろいろな味に触れさせられる⇒最も柔軟性が高い
- 高級食材、高級レストランの料理を食べさせられる⇒庶民的な味を受け付けないことがある
あくまでも私が考える目安ですが、3と4は悦楽を感じやすいのかなと思います。最悪なのは1と2ですね。
1の場合は反動が大きいことがあります。健康のためにと思ってそうしているのかもしれませんが、ある程度の年齢に達して外の味を知った時に暴走する人も多いでしょう。親から離れた時に食事がおざなりになり、大きく健康を害する可能性が高いです。
2は使い方次第かなと思います。手抜きをしたい時にたまに食べるくらいなら問題がなくても、毎日のことだと味覚がおかしくなります。人工的な甘味・塩味・うま味に慣れてしまい、酸味・苦味・辛味・渋味の味覚が発達しにくいです。自然の甘味・うま味・塩味はぼやけた味に感じるので、手作りの味をおいしいと感じにくくなります。
そうはいっても、やはり楽しいという食事の環境が最も影響を及ぼしているでしょう。どれをとっても、強制的であったり孤食であったりしたら、それは食事ではなく動物の餌の時間と変わらないです。
なんとなく食べているのでは食べて悦楽という感覚は絶対に育たないし、「食べたい」と思って食べていないから栄養の吸収も半減します。
子供が特定の食材や料理を食べてくれないことに悩んでいる親は非常に多いですよね!でも、そこは悩む必要はなくて、子供にしてあげられることは「みんなで食べると楽しいね」という感覚を育てることなのではないかと思っています。
「うわ、これまずい!」「なんで作るの? 嫌いなのに」。こういう会話ができる食卓って最高じゃないですか。黙って黙々とお葬式みたいな雰囲気で食べても、何も感動しないし笑いも起こらないので、なんとなく食事をするということになりかねません。
料理は得意な人もいれば不得意な人もいるので、大切なのは手作りにこだわることではなく、親がすべきことは食の環境作りじゃないかなと思います。いろいろな料理に触れさせたり目で見て楽しませたりして、食べなくてもいいから記憶に残すことに重点を置いてみてはいかがでしょうか。
食べることは死ぬまで続くのだから、なんとなく食べていたら嫌になってしまうもの……。
大人は違いますよ。環境を選ぶのは自分の責任なので、楽しく食事ができる人と出会って感情を育てていけばいいだけです。親と自分は違う生き物なので、いつまでも親のせいにするのは違うと思います。