13年前に母の還暦祝いで訪れた『和心亭豊月』が、2023年2月にリニューアルをしたとのことで再訪しました。
大きく変わった部分は、和モダンの客室が作られたことでしょうか。私たちが宿泊した部屋は数寄屋和室(風呂なし)だったので、大きな変化があったようには感じられませんでした。
※以前に宿泊した古月の間は、和モダンで半露天風呂付きの部屋に変化しています。
和心亭豊月の外観・館内・客室について
- 全16室(一部半露天風呂付き):和モダンの部屋のベッドはシモンズ社製
- Wi-Fi:あり(パスワードは客室に置いてある / ロビーラウンジ、リラクゼーションルーム、個室料亭でも使用可)
- 客室設備:テレビ(部屋の大きさにより異なる / 43〜75型)、電話、冷蔵庫(箱根山の天然水 / 無料)、緑茶、ほうじ茶、湯沸かしケトル、金庫、ドライヤー、シャワートイレ、高機能シャワーブースまたは半露天風呂(洗い場付)、空気清浄加湿器
- アメニティ:バスタオル、ハンドタオル、歯ブラシ、ヘア-ブラシ、ヘアーバンド、コットン、綿棒、ひげそり、オリジナル化粧品「Luna creciente」シリーズ(化粧水、乳液、洗顔フォーム)、浴衣
- 送迎あり:元箱根港・元箱根のバス停、箱根園(プリンスホテル)から箱根町港までの間であればお迎えをしていただける(予約時に要確認)。
チェックインは15時からで、チェックアウトは11時です。和室の布団はチェックアウトまで敷いたままにしていただけるので、ゆっくりと過ごしたい方は二度寝も可能です。
事前決済の他に、フロントで現金決済・クレジットカード決済・電子マネー決済ができます。
※バーコード決済はPayPayが使用できます。
長寿のお祝い時は、事前に伝えておけば各色のちゃんちゃんこを無料で貸していただけます。有料ですが、ケーキやフラワーギフトなどの準備もしていただけます。
父が生きていれば2024年に喜寿のお祝いでしたが、それは果たせないので2027年に母のお祝いで再訪できたらいいなと思っております。
外観
とてもこぢんまりとした外観です。旅館ではなく、別荘に訪れたような感覚に陥ります。
満月の日はとても奇麗だと思います。
館内
地下1階は大浴場、1階はロビーラウンジ・おみやげ処「月のおみせ」・料亭「向月」・リラクゼーションルーム・山のエステ・天然水貸切風呂、2階と3階が客室(全16室)です。
チェックイン時にこちらで説明を受け、お部屋に案内してくださいます。
窓の外を眺めながら、お抹茶と豊月オリジナルのお菓子(おみやげ処でも購入できる)をいただきます。窓際には双眼鏡が置いてあります。
お食事処は全室個室です。私たちが利用した個室は掘りごたつの部屋でした。
大浴場の近くには、ヤクルトと「箱根磐境の水(豊月オリジナルの天然水)」が用意されています。
館内にはたくさんの調度品が置かれています。歩いているだけで和みます。
おみやげ処では、夕食用と朝食用に使用されている箸や「箱根磐境の水(豊月オリジナルの天然水)」を使用したオリジナル化粧品「Luna creciente」などが購入できます。箱根の寄木細工や、料亭で使用されているオリジナルの器も販売されています。
リラクゼーションルームには、子どもから大人まで遊べる木のおもちゃやハンモック、マッサージチェアが置かれています。本もたくさん置いてあるので、ゆっくりと読書をするのもいいでしょう。
開館当初からの旅の「旅の思い出(宿泊者の日記帳)」も置かれており、読んでいると目がうるんできます。
美味しい「箱根磐境の水(豊月オリジナルの天然水)」も用意されているので、ゆっくりとくつろげます。
客室
今回のお部屋は10畳+6畳の和室でした。
掘りごたつは床暖式で、スイッチは三面鏡の隣りにありました。
用意されていたお茶はティーバッグでした。緑茶とほうじ茶が用意されています。湯飲みが使用しにくかったです(熱が伝わりやすくて熱い)。
「箱根磐境の水(豊月オリジナルの天然水)」のペットボトルが人数分だけ用意されています。このお水が本当に美味しいので、入浴後に何度も飲んでしまいます。
暮れのご挨拶として、後日に2Lボトルが6本も送られてきました。ミネラルがたっぷりな天然水なので、便通が悪い方にはとてもいいようです。
金庫はクローゼットの中にあります。
和心亭豊月の大浴場について
泉質は単純硫黄温泉です。脱衣所にタオル類が用意されているので、部屋から持って行く必要はありません。
2カ所の大浴場がありますが、朝晩で男女の入れ替えはありませんでした。入れ替えは月ごとのようです。毎月訪れるわけでもないので、ここは改善していただきたいなと思います。
貸切風呂は2カ所あり、リピーター(月待人)は1回分が無料で予約できます。
私たちが利用したのは貸切風呂「月」です。前日が満月だったので、この日も奇麗に見えました。
お湯は温泉ではないのですが、ミネラルが豊富な「箱根磐境の水(豊月オリジナルの天然水)」を使用しているので温まります。湯のあたりも非常になめらかです。
和心亭豊月の食事について
夕食には名物料理がないため、月ごとに料理が変わります。二度と同じ料理は食べられません。そのワクワク感が、リピーターの心をつかんでいるのかもしれませんね。
生ものが多いので、妊婦さんは事前に伝えておくといいでしょう。細かくヒアリングしてくださいます。
夕食と朝食で箸が違うのも楽しみの一つです。
夕食
どれも繊細な味付けです。出汁の香りが引き立っていて、最後までしつこさを感じずに食べられます。
マグロは都内の有名すし店御用達『豊洲やま幸』さんの生マグロです。モッチリしていてほんのりと甘みもあって、冷凍マグロとの違いを感じられます。
先付けの酢の物は紅ズワイガニでしたが、母も私もカニが食べられないのでシマエビに変更してくださいました。しめサバの締め方が個人的にはヒットでした。
メニューにはありませんでしたが、タラと湯葉の蒸し物も追加されていました。蒸し物の器はソバ用のとっくりを使用していました。
おしのぎのうどんには菊が練り込まれていて、鼻から抜ける香りがたまりませんでした。
高齢者や女性にはちょうどいい量かもしれません。男性には少ないような気がします。私にも足りなかったので、きのこご飯をおかわりをしました。
水菓子と一緒に出していただいた栗ぜんざいの甘みがちょうどよくて、お汁粉やぜんざいが苦手な私でも苦を感じることもなく食べられました。
夕食を食べている間に、夜食としていなりずしの用意をしてくださいます。「当日中にお召し上がりください」とのことでしたが、冷蔵庫に入れて翌朝の朝風呂へ行く前にいただきました(自己責任)。
驚いたことに、使用している食器類が13年前に訪れた時とほぼ同じでした。同じものを大事に使い続けるところがいいですね。
朝食
朝はお楽しみの自家製豆腐です。美味しい天然水を使用して作られており、大豆の甘みもしっかりと感じられます。こうじを使用した自家製の納豆も美味しいです。
車での来訪ではなかったため、お出かけをするにはエネルギーが必要だと、朝からおかわりをしたのは言うまでもなく……。
※朝食は洋食に変更することも可能です(要予約)。
和心亭豊月のメリットとデメリット
デメリット
- 大浴場が地下にある
- 追加料理がない
大浴場が地下にあります。エレベーターがないので足の悪い方には不便かもしれません。温泉を使用しているのは大浴場のみなので、改装工事で改善されることを望みます。
「名物料理を作らない」のコンセプトはいいですが、お祝いの席以外での追加料理も用意していただけると助かります。男性や大食漢の女性には量が足りないです。
メリット
- 環境がとても静か
- 料理の味付けが繊細
- ゆっくりした時間を過ごせる
客室が16室だけなので、館内がザワザワしていないところがいいです。最低限のマナーを守れないようなお客様がいないために心地よく過ごせます。
味付けの濃い料理がないので、素材の味と出汁の味を存分に楽しめます。一品料理であればパンチのある味付けでもいいですが、懐石料理やコース料理は味が濃いと最後まで楽しめません。慣れていない方にはつらいかもしれませんね。
基本はお部屋でゆったりと過ごせます。館内も非常に静かなので、慌ただしい日常を忘れてゆっくりと体を休めることができます。
※2023年2月にリニューアルオープンをした『和心亭 豊月』ですが、2024年1月14日〜2月1日、5月7日〜7月20日(予定)は「料亭向月」「大浴場」の改装工事をするとのことです。