2019年の夏に訪れたことがある下田大和館に宿泊しました。台風で両日ともクローズになってしまった多々戸浜のリベンジ旅行です。
※コロナ禍でのレポートなので、参考にならない部分もあると思います。ご了承ください。文字数が多いため、目次からお探しの情報をピックアップして読んでいただければ幸いです。
下田大和館の外観・館内・客室について
- 全63室:露天風呂付客室(コーナースイート1室、ワイドデッキスイート1室、特別室1室、伊豆石5室、信楽焼5室、バリアフリー洋室3室)、大きなお部屋(次の間付き客室10室、和室15畳4室)、和室スタンダード(和室スタンダード10畳22室、和室スタンダード8畳8室)、洋室ツインルーム2室、ベッド付き和室1室
- Wifi(無線LAN):あり(パスワードは客室に置いてある)
- 客室設備:内風呂、洗浄機付トイレ、冷蔵庫、スリッパ、ドライヤー、ポット、お茶セット、シャンプー・リンス・ボディーソープ、金庫、昇降機能付き露天風呂(304号室のみ)
- アメニティ:男性(浴衣、バスタオル、タオル、ひげそり、ブラシ、歯ブラシセット、靴下)、女性(浴衣、バスタオル、タオル、シャワーキャップ、コットン、ヘアゴム、 ブラシ、歯ブラシセット、靴下)
- 伊豆急下田駅から送迎バスあり(お迎え便は要予約):お迎え便は14:30〜17:00に30分ごと、お送り便は9:00〜11:30に30分ごと
外観
バリ島のような入り口です。到着すると、スタッフが荷物を部屋まで運んでくださいます。
車は自分で指定の駐車場に止めます。チェックイン前後に多々戸浜で遊ぶ方は、第2駐車場の利用が可能です。詳しくはスタッフにお尋ねください。
館内
お茶菓子は既視感があると思ったら、熱川館に宿泊した際にいただいたお菓子でした。熱海ブランドのお菓子のようで、伊豆の旅館では定番なのかもしれません。
オーシャンビュー(絶景)のラウンジでチェックインの手続きをした後、女性のみ好きな浴衣が選べます。S〜Lまであるので、身長に応じて選べるのはありがたいです。
大浴場は5階で、ここだけエレベーターの設置がありません。足腰が弱い方は、露天風呂付きのお部屋を選んだほうが良さそうです。
階段には友永たろさんの描いた魚の絵が飾られており、上がっていくまでに楽しめます。購入もできるので、気になった方はフロントで支払いをしてください。
館内には、お土産処・キッズルーム・宴会場・マッサージ・(サーフィンや海水浴後の)温水シャワー&更衣室・サーフボード置き場・ウェットスーツ干し場があります。屋外には予約制の貸切露天風呂と夏季限定のプールがあります。
客室
1階と2階の客室の廊下と扉は南国風です。3階と4階は昭和のような雰囲気があります。全室が多々戸浜を一望できるオーシャンビューで、客室によってはのんびりくつろげるテラスがあって眺めも非常に良いです。テラスは広いので、水着を干しておくこともできます(わが家は角ハンガーを持っていきました)。
今回の宿泊では次の間付き客室をお願いしました。海鮮炭火焼会席がいただける炭火ダイニングと同じ階なので移動が楽です。
客室の洗面台は、7人で使用するには少し狭かったです。古い感じも否めません。
内風呂も古い感じでした。部屋で入浴をしたい方は、露天風呂付きのお部屋を選んでください。
クローゼットの代わりになっている押し入れに、タオル類・アメニティ・浴衣・金庫が置いてあります。バスタオルは大浴場に置いてないので、忘れずに持っていく必要があります。
子供用のアメニティはかわいい袋に入っています。
サーファーはウェットスーツのままで、海水浴客は水着のままで館内の移動が可能です。海まで通じる階段もありますが、チェックアウト後に貸していただける大浴場は5階なので体力が必要です。足腰に自信のない方や小さなお子様をお連れの方は、水気をしっかりと拭き取った上でエレベーターを使用したほうがいいでしょう(70代の母は2階まででギブアップしていました)。
下田大和館の大浴場について
写真はございません。蓮台寺温泉の循環ろ過方式で、無色透明の湯です。サラッとしていてクセがなく、誰もが入りやすい湯だと思います。
和風大浴場と洋風大浴場があり、奇数日と偶数日で男女の利用時間が変わります。夜の入浴と朝の入浴でどちらも楽しめるのがありがたいです。
乳児は3カ月目から入浴できます。ベビーベッドやベビーバスなどのレンタル品もあるので、事前に予約をしておくといいでしょう。
和風・洋風ともに、一番広い展望風呂の目の前には多々戸浜の真っ青な海が眺められます。露天風呂からの眺めも良く、晴れていれば海面に映る月の筋が見られます。
ジャグジーのジェット水流は停止になっているので、小さなお子様でも安心して入れます。
露天風呂には虫が多いので、虫が苦手な方が夜に入るのは恐怖かもしれません。
下田大和館の食事について
食事は2種類で、「海鮮炭火会席」と「磯会席」が選べます。お部屋のタイプによっては、「磯会席」の部屋食が可能です。夕食の時間は18時と18時半、朝食は8時と8時半(夕食時に決定)から選べます。
前回も今回も「海鮮炭火会席」を選びました。前回はキンメダイの煮付をお願いしたのですが、食事量が多すぎて全員がギブアップしたので会席のみでお願いしています。しかし、わりと大食漢のわが家の大人たちでもギブアップ寸前だったので、小食の方は磯会席を選んだほうが良さそうです。
※食物アレルギーの対応は、卵(鶏卵)・海老・蟹・甲殻類全般・そば・落花生・乳製品です(これ以外の食材は対応不可)。
夕食
大人の食事には食前酒が付きますが、中学生(大人料金)とお酒が飲めない大人はジュースに変更してくださいました。チェックインの時にスタッフがヒアリングをしてくださったので変更してもらえましたが、大人だけだと聞かれない可能性があるので、飲めない方は事前に伝えることをおすすめします。
子供(小学生)のメニューにもお造りが付きます。グラタンや少量の焼き物などがありました。全体量は多いと思います。幼児向けの料理や乳児用おかゆの用意もあるので、お子様の食事量に応じて変更するといいでしょう。
前菜は「旬の彩り三色千代口盛り」です。静岡の新鮮な野菜につけていただくワサビクリームが絶品でした。
お造りに関しては、料理長が自ら説明に来てくださいました。
(左上)南伊豆で捕れたイセエビです。伊豆旅行の楽しみと言えばやはりイセエビ! 旬は冬だと思いますが、しっとりとした甘さは健在でした。頭は翌朝のみそ汁に使用されます。
(右上)ちょこんと盛り付けられているこちらはアカイカです。モチモチでほんのりと甘くて、イカ丼にしてガツガツと食べてしまいたいほど!
(左下)平皿に盛り付けられているのはカンパチとキスです。キスは昆布締めにされていました。程よい締め方で、日本酒が好きな人なら小躍りしてしまうかもしれません。カンパチは身がぷりっぷりで、鮮度が良いので酸化した脂も浮き出ておりません。握りで食べたいと思ってしまいました。
(右下)マスとサケをかけ合わせて養殖されている生の富士山サーモン! こちらのサーモンは富士山の湧き水(芝川最上部の淡水)でエサをコントロールして育てられています。海のサケはアニサキス対策で冷凍をするために臭みが出やすいのですが、寄生虫の心配がないので生のままで食べられるそうです。
実は、サーモンの刺し身は好きじゃないので、盛り合わせを買う時はいつも入っていないものを選んでいます。脂質を増やすようなエサを使っていないため、味が濃厚で臭みがありませんでした。これなら食べたいと思わせてくれます。
大葉の下にある白身魚は、駿河湾と相模湾の200メートルくらいの位置にいる深海魚「メダイ」です。なかなか手に入らない魚ですが、手に入った場合は天ぷらで食べるのが一番だとのこと。火が入ることで美味しくなると教えていただきました(トラフグに負けないおいしさだとか)。
ありきたりのお刺身を提供しないところは非常にポイントが高いです。
炭火焼きは、「アワビ」「ホタテ」「エビ」「キンメダイ」「黒はんぺん」「ナス」「ニンジン」「シイタケ」「豚肉」です。小食の方にはなかなかヘビーな量かと思われます。
炭火焼きが終わりそうな頃に口直しのシャーベットが出て、その後に塩炊きを持ってきてくださいます。これが、シンプルなのにいいお出汁が出ていて美味しいです。
お食事は塩炊きのスープで雑炊です。炭火の上で、スタッフが人数分を作ってくださいます。アオサノリの香りがふわりと漂い、スープが一段と美味しく仕上がっていました。
上から時計回りに、南伊豆のところてん(甘味)・マンゴープリン・ガトーショコラ・チーズケーキです。この頃には胃がパンパンで、あまり味を楽しめませんでした(残念です)。
以前に宿泊した際はビュッフェスタイルで種類も豊富でした。新型コロナウィルスの状況が落ち着くまでは中止だそうです。
朝食
ご飯のお供にネギマグロがついているのはうれしいですね。漬物やつくだ煮だけだと物足りない気がしてしまいます。
せいろで蒸した野菜を食べた後は、「キンメダイ、サバ、アジ」の3つから干物が選べます。私のテーブルは3人ともキンメダイを選びました。
ご飯はおひつに入っているので、各自でよそっていただきます。2膳分はいただけるので、海に入る前の腹ごしらえには最適です(全員がおかわりしました)。
下田大和館のメリットとデメリット
デメリット
- エレベーターが1台のみ
- カビ臭い
館内はわりと広いのですが、エレベーターが1台しかないので、上下の移動がわりと不自由です。高齢者や小さなお子様がいるご家族だと、ダイニングから遠い階はつらいかもしれません。
施設が古いことも考えられますが、ウェットスーツや水着で館内を歩けることもあってか、湿気によってカビが発生しているのではないかという印象があります。
メリット
- 風呂の数が多い
- 眺めが良い
- 食事が美味しい&ボリューミー
温泉は入れ替え制で、風呂数が多く、洗い場も広いです。他の宿泊者がいても気になることはなく、ゆったりと入浴ができます。オンシーズンで宿泊者は多かったですが、全く混んでいませんでした。
多々戸浜に向かって建てられているので、とにかく眺めが良いです。海と建物には距離があるため、波の音が気になりません。
「海鮮炭火会席」の感想ですが、とにかく魚介料理は期待して大丈夫です。味付けのあるものに関しては好みが分かれるため、評価はなしとします。ボリュームが多いのもありがたいです。
海水浴に適した周辺のビーチ
多々戸浜
下田大和館の目の前に広がる白砂のビーチです。水はコバルトブルーで、非常に透明度の高いビーチとなっています。波乗りが楽しめるのはもちろんのこと、フィッシュウォッチングも楽しめます。
海に向かって右側がサーフィンエリア(フィンありのボディーボードを含む)で、左側が遊泳エリア(フィンなしのボディーボードを含む)です。目印として高いビーチフラッグが立っています。
ライフセーバーが常駐しており、わりと厳しくチェックをしています。波は高めですが、子供がいる家族でも安心して遊ばせることができます。
大きな海の家が1カ所で、食事の時間帯は混雑します。下田大和館にもありますが、スナック程度の料理しかありませんでした。
ビーチにあまりゴミが落ちていないの理由が14時になると分かります。ビーチクリーンの時間が設けられているのです。半強制的で、「海に入っている方も上がって奇麗にしましょう」とアナウンスがされます。
ある程度のゴミを集めたら、ライフセーバーのもとで分別をし、参加賞をいただけます。
ゴミ捨ての順番を待っている時に、ウミガメの卵を囲っているエリアを見付けました。後で調べてみたら、2022年7月11日に観光客が見付けたそうです。
多々戸浜でアカウミガメの卵が確認されたのは4年ぶりとのことです。
九十浜海水浴場の先
海水浴場としての登録がされていないので、あえて「九十浜海水浴場の先」と表現させていただきました。
こちらは2019年に見付けた場所です。弓ヶ浜に行こうと思ったら、台風の影響で弓ヶ浜を含む周辺のエリアが全てクローズになっており、九十浜海水浴場のみがオープンしていました。間違って進んだところ、こちらのエリアを見付けた次第です。
知る人ぞ知る穴場で、向かって左の岩場は透明度が高くて魚影が濃いです。チョウチョウウオ系の幼魚を見付けたため、元ダイバーの私だけがひとりで興奮してしまいました。以前に訪れた際、Instagramにウミガメを見た方が動画をpostしていたので、運が良ければこちらでもウミガメに遭遇できるかもしれません。
※岩場に近付きたい方は、マリンシューズは必須です。
波打ち際は海藻などがたまりやすく、砂も舞っているので透明度は期待できません。外海が荒れていても影響を受けない入り江になっているため、波に抵抗がある子供や小さなお子様がいる家族におすすめです。
景色も海も文句なしの場所ですが、ライフセーバーは常駐していないので自己責任で入ってください。不安がある方は九十浜海水浴場をおすすめします(急な坂道があります)。
小さな海の家が3軒あり、食事をするとシャワーと更衣室が無料で使用できます。更衣室はとても狭いので、駐車場に併設してあるトイレ内で着替えるといいでしょう。
下田大和館との距離は約8kmで、車で15分くらいです。
その他のビーチ
この他の下田大和館に近いビーチは、鍋田浜海水浴場と入田浜海水浴場です。
鍋田浜は入り江になっていて穏やかなので、小さなお子様がいる家族におすすめできます。下田大和館との距離は約2kmで、車で4分くらいです。
入田浜は多々戸浜と同様にサーフィンもできる海水浴場です。多々戸浜よりもこぢんまりとしていてソテツが並んでいることもあり、より南国感の強い風景が待っています。下田大和館との距離は約1.5kmで、車で3分くらいです。
桑田佳祐さんの『波乗りジョニー』のMVに使用されたビーチで、ファンの間では有名だそうです。