料理が苦手でも、栄養がたっぷりでおいしい料理は作れます。食育アドバイザーを名乗っているのに、料理が苦手な私が言うのだから間違いありません。
克服する方法の一つは良いキッチンツールを手にすることです。おいしく作れれば苦手の半分は克服!調理時間が省ければ残りの半分も克服できます。
料理に対する苦手を克服させるキッチンツール5選
一生ものの包丁とキッチンバサミ
料理の中で最もウエイトを占めるのが切る作業です。だから、刃物の存在は大切だと思ってください。
でも、切る作業が面倒で苦手感を感じている人は多いです。少なくとも私はそうでした(今でも時々そう思います)。そんな人にこそ一生ものの包丁をおすすめします。
包丁を買うならぜひ専門店で相談して購入してください。自分に合った包丁が選べます。量販店やインターネットでの購入はおすすめしません。
良い包丁は切れ味がいいので、切ることにあまり負担を感じさせません。食材もおいしくいただけます。定期的に砥石(といし)で研げば半永久的に使えるので、絶対にいいものを買いましょう。自分の名前を入れてもらうと愛着心が出るのでおすすめです。
あとは使いやすいキッチンばさみを手に入れましょう。肉・魚・野菜が切れるものを選んでください。時間をかけたくない朝食の準備や洗い物を減らしたい時に重宝します。
私は16年くらい前に購入したヘンケルスのキッチンばさみを使用しています。分解が出来ないから買い替えたいのですが、壊れない上に切れ味も衰えないのでまだ使い続けるつもりです。
無水調理ができる鍋
放ったらかし系調理家電・無水調理ができる鍋は、料理が苦手な人におすすめの鍋です(どちらか一つなら放ったらかし系調理家電)。
私は15年ほど前から徐々にル・クルーゼ、ストウブ、無水鍋の3種類を購入しました(その後にバーミキュラを買い足す)。全ての大きさが違うので、作るものの量によって使い分けています。
「初期投資が掛かる」「重たい」という欠点はありますが、素材の味が引き出されるおかげで料理の腕が上がったような気にさせてくれます。蒸し野菜でさえ味が変わるので、苦手な人ほど買って損はないです。栄養素もあまり逃げません。
放ったらかし系調理家電は火加減調整がよく分からない人に向いています。外でバリバリと働いているなら買いたいキッチンツールです。ただし、料理の幅が限られるのはネックだと思うので、これだけというのはおすすめできません。
計量スプーンと計量カップ
頑張って作っているのにおいしくないと、料理に対する苦手意識はなくなりません。だからこそ計量スプーンと計量カップは大切なキッチンアイテムです。
面倒だと言われればそれまでですが、レシピ通りにきっちりと計量して味付けをすれば間違いはほぼ起きません。味が決まらなくて苦手意識があるなら絶対に使った方がいいです。
料理が上手な人は目分量でもおいしく作れますが、それは作り続けた結果として塩梅(あんばい)が分かるようになっただけです。苦手な人が目分量で作ってもなかなか味は決まらないので、塩梅(あんばい)が分かるようになるまでは計量をおすすめします。
計量スプーンのおすすめは貝印のこちら。貝印のスプーンは置いて計量できるから便利です。私が購入した時は小さじ1/8がなかったのですが、後に発売されたので買い足しました。
計量カップのおすすめはOXOの中サイズ。上から見て計量できるので便利です。ただし、お菓子やパンを作る時はスケールできっちりと計量しないとうまく作れません。
グリルパン
魚を焼かないから魚焼きグリルを使用しないという人がいると思います。それはもったいない話。料理が苦手ならグリルパンを使って活用しましょう。
グリルパンを使うと魚がおいしく焼けるのはもちろんのこと、肉や野菜もおいしく調理ができます。個人的には漬けて焼くだけがおすすめです。水分のある野菜を使えば、なんちゃってイタリアンやフレンチも作れます。
自宅にある魚焼きグリルの火加減だけ覚えてしまえば、入れて火を入れるだけで料理が完成します。食材のうま味を逃さないから、無水調理ができる鍋と同様に腕が上がったように感じさせてくれるのがポイントです。
食洗機
キッチンツールに含めていいものか悩みましたが、料理が苦手な人には絶対に必要なのでおすすめします。
料理が上手な人は作りながら片付けることが苦もなくできてしまいます。苦手な人はこれが出来ないから面倒になりやすいです。それならば、機械に洗ってもらいましょう。
食洗機対応型の鍋を使っているなら、作り終えた後に食洗機に入れてしまえばいいのです。シンクがスッキリするので「はあ……」とならずに済みます。
作ると洗うは慣れなので、料理を続けているうちにできるようにはなりますが、ここが大きなハードルになっているなら任せてしまいましょう。食後の負担も減ります。
料理が苦手な人のための番外編ツール
キッチンツールとは違うので、番外編としてお伝えします。
料理の基礎が書いてあるレシピ本
今はアプリでレシピが見られる時代ですが、苦手な人にはハードルが高いのも事実です。作れることが前提で書かれたレシピなので、「カップ1/2って何ml?」「少々ってどれくらい?」「ひと口大って何?」となってしまいます。
学校で初めて調理実習をした時のことを思い出してください。工程の多い料理は作っていないはずです。私の記憶では、初めての調理実習はゆで卵でした。
なんでもそうですが、基礎が出来ないのに応用なんて絶対にできません。料理も同じで、基礎が分かっていなければ何も作れないのです。
ご飯の炊き方やみそ汁の作り方や野菜の切り方などが載っている教科書みたいなレシピ本を一冊だけ購入してください。
私のバイブルとなっているレシピ本はこちらです。「ご飯と味噌汁くらいは、まともに作ってみる」が購入の決め手になりました(ここに書かれている米のとぎ方はしておりません)。
お気に入りのエプロン
形から入るのはすごく大切なことです。洋服を選ぶようにエプロンを選んでみてください。
お気に入りのエプロンをつければ気分が上がるので、キッチンにも立ちやすくなります。キッチンに立たないことには料理は作れませんから、無理せず行動に移すために必要なアイテムです。
ネット通販でも買えますが、最初は実店舗で試着して選ぶことをおすすめします。私は首掛けタイプもたすき掛けタイプも苦手で、Tシャツのようにスポッと着られるチュニック型じゃないとストレスになって使えないです。
ヨーグルトメーカー
このツールはハードルが高いと思って番外編にしましたが、料理の基礎ができるようになったらぜひ購入してもらいたいです。
ヨーグルトを作るのではなく、甘こうじ・塩こうじ・しょう油こうじを作ります。常温で発酵させると手間と時間がかかるので、8時間ほどで出来上がるのは非常に便利です。出来上がったものは1カ月くらいかけて使い切ります(冷蔵保存している間も発酵が進んでどんどんおいしい調味料になる)。
甘こうじなどを作っておくと、ただ漬けて調理をするだけという手抜きができます。酵素のおかげで肉や魚のたんぱく質が分解され、消化が良くなる上にうま味も増します。無駄な味付けをしなくても味が決まるので、料理の苦手意識が拭えない人こそ頼るべきです。
こうじを使った焼き物料理は焦げやすいという欠点もありますが、予熱調理を覚えてしまえば本当に楽ができます。