もともと料理が好きだった人も、苦手意識を抱えたまま頑張っている人も必読のエッセイをご紹介します。
料理がしんどいのは自分のせい?
『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』は、人気料理家・コウケンテツさんの初エッセイです。
料理家なんだからなんでも作れるだろうし、一般人の悩みとは違うでしょう!
そんな風に思わないでください。ここには「料理がしんどい」と思う人たちへのヒントがたくさん詰まっています。
環境が変化すれば料理家でも料理はしんどい
料理が苦手と言い続けて早ウン十年の私ですが、決して料理ができないわけではありません。「作らなくていいなら作らなくてもいいか」という考えのもとに生きています。
ところが、そう思えない人がたくさんいます。そんな方々をふわっと春の日差しのような暖かさで包んでくれる文が満載です。
コウさんは料理研究家という仕事をしているのだから料理は好きだろうし、毎日“ちゃんとした”料理を家族に食べさせているのだろうなと思い込んでいました。
しかし、そんなコウさんでさえ、子供が生まれてからしんどいと感じるようになったのだそう。それはコウさんの思い込みから来るものでした。
誰にでもありますよね。環境の変化は。
- 一人暮らしになった
- 仕事が忙しくなった
- 結婚した
- 子供が生まれた
- 離婚した
- 親の介護が必要になった
料理がしんどくなったのは、環境の変化というよりも自分の信念や思い込みみたいなものが大きいということが分かりやすく書いてあります。
大切なのは手作りにこだわることではない
手作り=愛情ではないよということが書かれています。
コウさんは子育ての真っただ中なので子供を事例に書いてあるのですが、パートナーに対しても、介護が必要になった親に対しても同じです。
手作りで、美味しくて、栄養バランスも考えられていて……。
非常に立派です。立派ですが、家族がそう受け取ってくれない時もあります。
- 手を付けてもらえなかった
- 残された
- 別のものと比べられた
- 味を変えられた
- なんの反応もない
この積み重ねはやはりしんどいにつながりますね。作りたくない気持ちが沸々と湧いてきます。
「じゃあ、どうすればいいの?」の答えが「作るのやめよう」です。この先はネタバレになってしまうのでここまでにしておきます。
料理研究家が考える手間抜きレシピ
たくさんではありませんが、手間抜きレシピも載っています。
料理が苦手な人ほどこの手間抜き料理は得意だと思うのですが、そこそこ料理が好きな人や得意な人ほど苦手なのではないかと思います。
手抜きをするのではなく手間を省くというのが正しいでしょうか。
料理に対する思い込みをなくせば、そんなに深く考えなくても栄養バランスが整った食事ができるということがよく分かるレシピです。
YouTubeでも手間抜きレシピは紹介されているので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
Koh Kentetsu Kitchen【料理研究家コウケンテツ公式チャンネル】
食育アドバイザーとして考える栄養のこと
こちらのサイトでもウェブ相談でも、栄養の重要性はいつも唱えております。ただし、栄養に頼り過ぎて食事を楽しいものと捉えていない方が大問題です。
「好きなものは食べてもいい。ただし、好き勝手に食べるのはやめよう」。これが本当の食育ではないかなと感じております。
食事を作ることがしんどいと感じていたら、その時点で美味しさも楽しさもどこかに行ってしまいます。既に疲れているのだから。
カップラーメンを食べても、暴飲暴食をしても、ジャンクフードを食べてもいいです。それ以外の日で調整をすれば問題なし!
食べることは一生続くのだから、栄養のバランスは1週間単位で考えるクセをつけて、楽しい食事ライフを続けてほしいと常に思っています。